河川に囲まれた八潮市は、肥沃な大地を生かした野菜栽培も盛ん。小松菜や枝豆など、鮮度の高いまま都心に出荷できるためブランド力も高い。一方で工業都市として知られ、ユニークなもの作り企業が点在。異文化を受け入れる風土もあり、多国籍料理が味わえるお店も多い。
ハッピーこまちゃん
八潮市の「八」と、はっぴを着ていること、幸せのハッピーから命名された。夢はみんなを健康にすることで、頭は鮮度抜群の小松菜をモチーフにしている。
鉄道の場合はつくばエクスプレス(TX)八潮駅が起点。車の場合は首都高速6号線八潮IC、八潮南IC を利用。羽田空港や成田空港を結ぶ空港連絡バスも運行している。
昭和30年代から栽培が始まった八潮を代表する野菜の一つ。ハウスを中心に栽培されるため、通年で出荷できて品質も価格も安定。カルシウムや鉄分など栄養価も高い。
観光で訪れる外国人に圧倒的な人気を誇るイワコーのおもしろ消しゴムや、菊水堂のポテトチップなど。職人の技とアイデアの詰まった逸品が揃う。
市内には多くの外国人が暮らし、なかでもパキスタン人のコミュニティは「八潮×パキスタン」の造語で、ヤシオスタンとよばれている。パキスタン料理の店も点在。
のどかな野菜畑が広がる八潮市に、パキスタン人の多く集まるエリアがある。そのコミュニティの中心となるのが本場仕込みのレストランだ。スパイスに魅了された日本人も通う新旧の名店を紹介しよう。
令和5 年3 月にオープンしたハラール屋台村八潮スタンでは、多彩なエスニック料理が味わえる。
小さな町工場が密集する埼玉県南東部には、1980年代後半から外国人労働者が移住するようになった。なかでも八潮市には、主に途上国への中古自動車販売に携わるパキスタン人が多く、現在では160人ほどが生活しているのだという。
そんな八潮市に、平成22年にオープンしたのがパキスタンレストランの「カラチの空」だ。店主のザヒッド・ジャベイドさんを慕い集まったパキスタン人たちは、日本の文化をリスペクトし、地元の人とふれあいながら生活している。
「カラチの空」から広がったパキスタン人のコミュニティは、いつしか「八潮×パキスタン」をもじって、「ヤシオスタン」とよばれるようになった。今や多くの日本人も訪れるという「カラチの空」だが、提供する料理は日本人向けにアレンジはしていないのだという。日本人にとっては、食を通して異国を旅した気分になれるのも楽しみの一つ。現在、市内にはパキスタン料理店やハラル食材店が点在し、ヤシオスタンにふれることのできる交流の場にもなっている。
はらーるやたいむらやしおすたん
パキスタン料理をはじめ、和食、中国料理、マレーシア料理などが味わえる多国籍フードコート。定番はマナカレー1200円やビーフハリーム1280円など、ナンかライスが付くカレーメニュー。チキンビリヤニ1280円もおすすめ。スパイシーチキン醤油ラーメン1500 円も。ハラル食材のショップを併設している。
からちのそら
ヤシオスタンを牽引するパキスタン料理の店。本国出身のシェフが腕を振う料理は、本場のレシピを忠実に再現している。スパイシーなランチA セット880円は、4種類のカレーから1種類を選び、ナンまたはライス、ミニサラダなどが付く。チキンビリヤーニ1320円はヨーグルトソースをかけて味わおう。店内では現地のテレビ番組が放映されている。