豊臣秀吉や宮本武蔵も湯治に訪れたという名湯・武雄温泉。東京駅の建築を手がけた辰野金吾が、武雄温泉の楼門を設計したことでも有名だ。温泉以外にも御船山楽園など、自然や歴史が残る街。武雄の観光は、車移動で気ままにスポットを巡るのがオススメ。
温泉の入口に立つ武雄市のシンボル。平成25年(2013)の保存修理工事で2階天井から4つの干支の彫絵が発見された。東京駅のドーム型天井にある8つの干支のレリーフと合わせると十二支が揃うという。設計士・辰野金吾の遊び心が隠されている
武雄温泉大衆浴場に5つある貸切風呂の一つ。総大理石で、江戸時代の中期に鍋島藩武雄領主の殿様用に造られた。シーボルトが入浴した記録も『江戸参府紀行』に残る
楼門と同じく辰野金吾が設計。現在は大正4年(1915)の建築当時の姿に復原され、資料館となっている。武雄温泉の歴史がわかる展示資料や、昭和48年(1973)まで使われていたレトロな旧大衆浴場の見学も可能
たけおおんせん たいしゅうよくじょう
やわらかな肌ざわりが特徴のアルカリ性単純温泉を引く5つの貸切風呂と3つの大衆浴場を備え、それぞれ異なる雰囲気が楽しめる。特に貸切風呂「武雄温泉殿様湯」で入浴すれば、気分も上々。辰野金吾の設計による国指定の重要文化財「武雄温泉楼門」「武雄温泉新館」は必ず見学したい。
JR武雄温泉駅から徒歩15分
武雄市武雄町武雄7425
入浴500円~、貸切湯3500円~(平日3000円~)
6時30分~24時(一部~21時30分)、貸切湯15~22時
無休(メンテナンス休あり)
100台
【新館】料金:入館無料、時間:9~18時、休み:火曜
週末は待つことも多いほどの人気だ
ぎょうざかいかん
これを目当てに訪れる人も多い武雄名物の餃子は、1人前550円。武雄ブランドの若楠ポークに豊富な野菜、各種香辛料などを加えたオリジナルの奥深い味わいだ。皮も厚くてもっちりと食べごたえがある。テイクアウトや地方発送もしてくれる。
人気のパワースポット。根元の大きな洞には天神の祠が
金色に輝く本殿。昭和39年(1964)に焼失したが、昭和45年(1970)に再建された
たけおじんじゃ
御船山の山腹に位置する武雄神社の境内を裏へと進み、竹林を抜けると、縄文時代から生き続ける「武雄の大楠」が姿を現す。生命力にあふれた威厳あるその姿には、思わず息をのむ。
1 御船山の麓に広がる巨大な庭園 2 春:すり鉢状のつつじ谷には色とりどりのツツジが咲き乱れる 3 秋:紅葉のライトアップが水面に反射し、幻想的な景色が広がる
みふねやまらくえん
御船山の断崖が背景に広がる武雄鍋島領主の庭園で国の登録記念物。京都から狩野派の絵師を招いて造園した庭に、20万本のツツジ、大藤、モミジのほか多種多彩な花木が植えられ、見ごたえ十分だ。
えん てぃー はうす-おうとうろう-
御船山楽園ホテルのロビーにあるティーハウス。 豆腐生チョコ600円。
ちーむらぼのさくひん
ホテル内や庭園内にはチームラボによるアート作品が展示されている。 写真は、『廃墟の湯屋にあるメガリス』
1 豆乳ソフトはプレーン490円と、イチゴ、チョコレート、抹茶ソースをトッピングしたものも(各550円) 2 武雄温泉の楼門を眺められる和モダンな空間 3 カフェの中庭にある足湯に入りながらスイーツが味わえる
さがひらかわや たけおおんせんほんてん
温泉湯豆腐のコース料理やスイーツが楽しめる、佐嘉平川屋のフラッグシップストア。定番の温泉湯豆腐御膳2500円(肉なし)のほか、豆乳ジェラート490円〜などのカフェメニューが充実。