“日本一の桜名所”と謳われる吉野山。「ひと目千本」といわれるが、実際に全山を染める桜の数は、なんと3万本以上!桜エリアは麓から標高順に「下千本」「中千本」「上千本」「奥千本」とよばれる。下から順に咲いていき、長い間どこかで花見が楽しめる。
吉野山が修験道の霊場であることに関係。修験道の開祖・役行者は約1300年前、山中で感得した金剛蔵王権現のお姿を、桜の木に刻んで金峯山寺の本尊にしたという。そのため古来、桜は神木として保護され、信者の献木によって山を覆うまでになった。
見ごろは年によって変動し、エリアによっても異なる。開花状況は、例年3月以降、吉野町役場のホームページに掲載されるので要チェック!
周辺道路は大渋滞するので、電車で行くのがベスト。吉野山では竹林院前から奥千本口行きのバスが運行。バスで奥千本まで一気に上り、上千本の中を歩いて下ると楽。
相当混雑するが、山のいたるところに桜が咲き、奥へ行くほど花見客は少なくなる。人波が少なくなる夕方や早朝も狙い目。
スイーツや吉野の地酒などが楽しめるラウンジ車両も備えている
近鉄の観光特急
大阪阿部野橋駅と吉野駅を約1時間15分で結ぶ観光特急。クラシカルな外装やインテリアで上質な列車旅を演出。
大阪阿部野橋駅~吉野駅1900円(普通運賃・特急料金・特別車両料金込み)
1日2往復。大阪阿部野橋駅発は10時10分、14時10分
原則水曜
※特急券は乗車日1カ月前の10時30分から特急券発売駅窓口、インターネットなどで買える
しょうけんこうたいごうおのだちあと
明治天皇の皇后が桜を愛でた場所。「七曲り」を眼下に、下千本を一望できる
見頃の目安 4月上旬
しもせんぼん
吉野山の玄関口・近鉄吉野駅あたりから金峯山寺あたりまでが下千本。満開の花の中に続く「七曲り」の坂をのんびりと歩いて上ろう。
にょいりんじふきん
境内の庭園から見渡せるほか、寺と上千本を結ぶハイキング道からの眺めもいい
見頃の目安 4月上~中旬
なかせんぼん
金峯山寺あたりから竹林院あたりまでを指し、一帯には店や旅館が立ち並ぶ。豊臣秀吉が花見の本陣にした𠮷水神社からは、中・上千本が一望。如意輪寺付近もおすすめ。
はなやぐらてんぼうだい
吉野山随一のビュースポット。上〜中千本を見下ろせ、金峯山寺蔵王堂も見える
見頃の目安 4月上~中旬
かみせんぼん
竹林院あたりから吉野水分神社あたりまでを指す。急坂が続くが、道の両側は桜また桜。頑張って歩いた先の花矢倉展望台からの眺めはまさに絶景!
さいぎょうあん
吉野山の最奥。桜を愛した歌人・西行の旧跡付近にひっそりと咲く桜も風情がある
見頃の目安 4月中旬
おくせんぼん
金峯神社より上、西行庵あたりまで。下千本との標高差は500mあり、最も遅く見ごろを迎える。竹林院前から金峯神社の入口まではバスで向かうことができる。
桜の花びらと葉を混ぜたバニラアイスは後味まで爽やか
桜花などをかたどった葛干菓子。口溶けがよく、上品な甘さ
イートイン/テイクアウト
くずのがんそ やそきち はなやまてん
桜の花・桜の葉入りの自家製ソフトクリーム。ほのかな桜の香り
ほんのりピンク色で素朴な味わい。桜ようかん(ハーフ)600円もおすすめ
テイクアウト
まんしょうどう
吉野葛を使ったなめらかな桜風味プリンの上には、桜花入りのジュレが。ぷるんとした食感も楽しめる華やかな桜スイーツ
紅葉の名所でもある吉野山。山全体が薄ピンクに染まる春に対し、燃え立つような赤・橙・黄色に染まった桜もみじの秋もすばらしく、ライトアップも行われる。秋には、柿の葉寿司に紅葉した葉を使う店もある。
「柿の葉寿司 やっこ」の秋の柿の葉寿司
紅葉期にも訪ねたい