被災しながらも復活に向けて奮闘する能登の商店、金沢や東京で被災地を支援するさまざまな動きを紹介。食やモノを通じて能登にふれあい、エールを届けよう。
通年とれるアジのほか、タイや甘エビがおすすめ
能登町
したひらせんぎょてん
大きな被害を受けた奥能登エリアの港町。少しずつ復興の兆しが見られるなか、宇出津港は2024年3月に競りを再開。毎朝仕入れる鮮魚がズラリ並ぶのがこの店だ。4~9月は人気のノドグロ、11月は香箱ガニを手頃な価格で提供。刺身盛り合わせをクール便で発送すれば、翌日とれたてのおいしさが味わえると大好評。お刺身通販2人前3700円~も大人気。写真はイメージ。
能登のモズクや岩ガキなど海の幸を使った料理の一例
金沢市
さんだいめ りきゅう
先代の技を引き継ぐ、美意識あふれる日本料理で評判を博す。北陸や大阪で腕を磨き、食材の目利きでもある代表の藤井さんは「能登はアワビ、カキ、ノドグロとおいしいものの宝庫」と太鼓判。地震以降はより積極的に献立に取り入れている。能登の地酒や輪島塗の器とともに楽しみたい。コース1万2100円~、点心(平日限定)3850円など、要予約。廊下の右側はカウンター席、左は緑豊かな中庭。
花鳥風月の手描きろうそくがみやげに人気
七尾市
たかざわろうそくてん
600年以上の歴史を持ち、国登録有形文化財の建物など40数件が立ち並んでいた一本杉通り。その並びにあった店は軒先が倒壊し、すぐ近くに2024年3月、仮店舗をオープンした。伝統の七尾和ろうそく店の再開は、被害著しい商店街の希望の灯に。手仕事で仕上げる和ろうそくの製造も再開している。通りでは12月まで第1日曜に「一本杉復興マルシェ」を開催。ビニールシートが目立つ通りに、地震前と変わらない白いのれんを掲げる。
丹念に作られた能登上布(手前)と輪島塗(奥の棚)
金沢市
かなざわしつらえ
石川県の工芸品を扱うギャラリー&ショップ。能登の工芸品では輪島塗と能登上布があり、丁寧な手仕事から優しく実直な能登の風土がうかがえる。店を運営する金箔メーカー箔一では、ショップの売上の一部を能登半島地震義援金として寄付する取り組みを実施。産地の支援にと買い求める人も多く、新たなファンを増やしている。ひがし茶屋街にたたずむ紅殻格子の建物(画像上)石川県を中心とした上質な工芸品が並ぶ(画像下)。
能登牛そぼろ528円、中島菜&しらす385円のおむすび+おもてなし膳1408円
金沢市
ほのむすび かなざわふぉーらすてん
「居酒屋こよみ」などの飲食店を展開するグループが手がける「ほのむすび」。店内飲食とテイクアウトが可能で、輪島市の農家が育てたコシヒカリ「門前米」を使い、昆布と塩で炊き上げて握るおむすびを提供している。人気の具材は能登牛そぼろや能登豚西京味噌など。復興支援として、おむすび1個につき1円を被災地に寄付している。22種類のおむすびが揃い1日500~1000個を売り上げる。
温もりのある輪島塗。料理に使われる器は購入OK
金沢市
たやしっきてん くらふぃーと
地震で大きな被害を受けた輪島塗の老舗・田谷漆器店。金沢市内にその輪島塗の器で創作料理を楽しめるレストランを開いている。1階の和風バルでは気軽なアラカルト料理を、2階では能登の食材を生かしたコース料理1万1000円~(完全予約制)を提供。輪島塗の使い心地を肌で感じてみよう。飲食店が連なる木倉町通りに立つ。
分厚いネタをぎっしりのせた能登の荒磯丼
金沢市
うおがししょくどう りんとてん
能登をはじめ、石川県産の新鮮な魚を手ごろな値段で味わえるとあって、地元でも絶大な人気を誇る。能登の荒磯丼2000円には、アジやタイ、イカなど能登産の魚10種類以上がてんこ盛り。海鮮丼だけでなく、魚介をふんだんに使った定食でも、能登を中心とした地魚を堪能できる。金沢駅構内の便利なロケーション。
JR金沢駅構内
金沢市木ノ新保町1-1金沢百番街Rinto
11時~14時30分LO(土・日曜、祝日は~15時LO)、16時30分~20時15分LO
不定休
金沢百番街提携駐車場利用2500台(有料)
石川県の特産品を買って能登にエールを!
東京
やえすいしかわてらす
2024年3月、東京駅八重洲中央口そばに石川県のアンテナショップがオープン。石川県の食品や地酒、伝統工芸品などが豊富に並び、七尾の和ろうそくや能登ワインといった能登の逸品も勢揃い。店内の飲食スペースでは日本酒セット1000円なども楽しめる。能登の珪藻土や珠洲焼の原料で焼き上げたタイルを使った内装にも注目。八重洲エリア、八重洲Kビルの1階にある。
普段使いにも良さそう。注文やオーダーも可能
東京
わじまきりもと・にほんばしみつこしてん
輪島キリモトは、江戸時代から輪島塗の伝統を受け継ぐ漆器工房。震災で大きな被害を受けたが、2024年3月に仮設工房を立ち上げるなど復興に向けた取り組みを進めている。東京の日本橋三越店では、しっくりと手になじむテーブルウェアが人気。作り手の思いがこもった温もりある作品を、ぜひ手に取ってみて。机や椅子などの大きなものから食器まで多種多様。
https://notostyle.shop-pro.jp/
「能登の良い品を暮らしに取り入れる」がコンセプト。海産物や農産物、菓子、調味料、雑貨など、能登ならではの上質な逸品を幅広く扱う。
https://www.kagaya-onlineshop.com/
和倉温泉の旅館・加賀屋が運営。地元事業者の商品を紹介する特設ページ「能登半島復興応援オンラインマルシェ」を開設している。