
賑やかな鳴り物の音が響き渡る、熱気あふれる会場。和の魂が揺さぶられる徳島の真夏の祭典といえば”阿波おどり”!歴史やみどころなど、阿波おどりビギナーも必見の観覧情報をチェックしよう。


約400年にわたり受け継がれる徳島発祥の盆踊り。起源は諸説あるが、盆踊りや風流踊りが原型であると考える「盆踊り起源説」や「風流踊り起源説」、天正14年(1586)に徳島城落成を祝って城下の人々が踊ったのが始まりと考える「築城起源説」などが有力とされている。お盆前後の期間に県下一円で行われるが、一番有名なのは徳島市の阿波おどり。
阿波おどりは、高張り提灯を筆頭に、女踊り、男踊り、鳴り物などから構成される「連」というグループ単位で踊る。右手と右足、左手と左足を同時に前に出す動きを基本スタイルとし、その年の世相や流行も取り入れられる。踊りはもちろん、衣装、演出、音楽まで連によって工夫を凝らしており、その自由さも魅力の一つ。

浴衣の裾をたくし上げ、手には手甲、下駄履き、編み笠を目深にかぶる。やや前屈姿勢で手を高くしならせ、「ヤットサー」のかけ声とともに一糸乱れぬ集団美で魅せる。

完全に揃った振り付けが美しい女踊り
ダイナミックな男踊りには、腰を落としてすり足で進みながら綱をたぐりよせるように手を動かす「綱打ち」をはじめとした、さまざまなスタイルがある。自由さと豪快さで観客を魅了する。
二拍子の「ぞめき囃子」を奏でる楽器を「鳴り物」とよぶ。三味線、笛、大太鼓、締太鼓、鉦などで構成され、心地よいリズムが踊り子たちの気分をいっそう盛り上げる。

繊細な三味線の音色が、独特な「ぞめき」の響きを作りあげる

鳴り物唯一のメロディ楽器。澄んだ音でお囃子を奏でる

腹の底に響くダイナミックな音で、二拍子のベースを支える

カランカランと鋭い音で踊りのリズムをリードする重要な役割

高音の打楽器で躍動感や激しさを奮い立たせる
ぞめき
「騒がしい」という意味をもつ言葉で、阿波おどり特有の二拍子のリズムを指す
囃子ことば
踊り子が発するかけ声のこと。「ヤットサー」「ヤットヤット」「エライヤッチャ」などが有名

A 人気の宿は1年前から予約が入るので、予定が決まったらなるべく早めに手配を済ませよう。徳島市内で宿が取れなかった場合は、近隣の鳴門市や小松島市などで探してみて。
A 郊外に臨時駐車場が開設される。会場までは臨時運行のシャトルバスを利用しよう。
A 多少の雨なら開催される。豪雨、台風の場合は中止、屋内イベントは台風の場合のみ中止。
A 手荷物の一時預かりサービスなどはないので、JR徳島駅周辺のコインロッカーを使おう。

【場所】アスティとくしま
有料(要確認)
12時〜、15時30分〜、19時~
【場所】あわぎんホール
有料(要確認)
11時~、13時30分~、16時~
18~22時(有料演舞場は2部入替制)
※2025年6月現在の情報です。開催の有無、日時、開催場所が変更になる場合があります。最新情報は公式Webサイトでご確認ください。

阿波おどりの一つのグループを「連」とよび、徳島市にはなんと900組以上もの連が存在するといわれている。なかでも特に卓越した技量で観客を魅了する連を「有名連」とよぶ。ここでは、 6つの有名連をピックアップ!
男踊りは腰を落としたダイナミックな動き、女踊りは全身を使った躍動感ある動きが特徴

豪快な暴れ踊りで阿波武士の心を伝え、正調節で阿波おどりの原点を探求し続ける連
戦前から正調阿波おどりを受け継ぐ伝統的な連。「蜂須賀太鼓」と提灯踊りの競演もみどころ
天女のように舞うしなやかな女踊りと、宙を飛ぶエネルギッシュな男踊りが印象的
「いつもニコニコゑびす顔」のテーマ通り、踊り手たちの笑顔が魅力の歴史ある連
ゆったりとした正調のお囃子に合わせて踊る。能に似た足運びが娯茶平のスタイル