季節や見る角度によってさまざまな表情を見せる湖沼群を巡る。距離も短く歩きやすいため、裏磐梯のハイキングコースとして人気。
毘沙門沼の周囲は約4㎞。沼の水はやがて川を下り猪苗代湖へと注いでいく
ハイキングコース
ごしきぬましぜんたんしょうろ
磐梯山の噴火により形成された大小30余りの湖沼群を巡る散策コース。沼は流入している火山由来の鉱物の影響や、植物により、緑、赤、青などさまざまな色彩を見せる。周辺には宿泊施設もある。
START
ごしきぬまいりぐちかんこうぷらざ
裏磐梯の観光案内所。館内には、案内窓口や休憩スペース、トイレなどを完備している。五色沼入口にあるので、散策の拠点としても便利。事前に立ち寄って情報収集していけば、散策がより楽しくなるはず。
紅葉のシーズンも美しい
びしゃもんぬま
五色沼一の広さを誇る。展望台からは沼越しに雄大な磐梯山の火口壁が望める。4~11月は手漕ぎボートのレンタル(30分1000円)もあるので、水辺の生き物たちとのんびり湖面を散策しよう。
水際の植物が赤茶色に変化することから赤沼という名前がついた
あかぬま
アカマツの木々からのぞく緑色の沼は、周囲の植物がところどころ赤茶色に彩られている。これは水に含まれる鉄分が赤く変色し付着するため。酸性度の高い水によってこの光景が見られる。
どこを切り取っても同じさまはないのが見ていて楽しい
みどろぬま
散策路のちょうど中間にある。水質や水深、水草や藻の繁殖の違いから同じ沼のなかで3つの色をもつといわれる。
1つの沼で場所により水草の植生が大きく異なるのは珍しい
べんてんぬま
毘沙門沼に次ぐ大きさの弁天沼は、見る場所や時間によって水面の色や濃さが異なり幻想的。散策コース脇には展望台が設置されているので、そびえ立つ簗部山(やなべやま)や西吾妻山も沼とともに見渡すことができる。
水の底には青々とした苔のじゅうたんが広がる
るりぬま
水深9mの湖底が見えてしまうほど非常に水が澄んでいる。地下水が湧いているため冬でも凍結しないのが特徴。夏には沼周囲の水際を背の高い葦が覆い、沼全体が緑に包まれる。
水面に近い葉が白いのは水中に浮遊する火山由来の鉱物によるもの
あおぬま
名前のとおり青く白濁した水面は沼とは思えないほどの美しさ。水の中にウカミカマゴケが繁茂しているため、青々とした色彩を見ることができる。周囲の葉が水中の鉱物により白くなる現象にも注目。
五色沼のなかで最も標高の高い場所にある
やなぎぬま
広葉樹林が沼を取り囲み、紅葉の時期は特に色鮮やか。ほかの沼よりも酸性度が低いため水中にはフナやワカサギなどの魚が多く生息。近くには裏磐梯物産館やバス停裏磐梯高原駅もあり便利。
GOAL
7~8月
ウバユリの変種で花が20個以上付くものも。1つの花に種が500個ほど入っている。
5~7月
山地の湿地、沼に生える多年草の水草。花の内側にたくさん毛があるのが特徴。
5~6月
北海道から九州まで日当たりのよい草原に多く自生する。全木に毒があるので要注意。
磐梯山の噴火によってできた湖はそれぞれ個性豊かで美しい。自然がつくり出した芸術作品を巡ってみよう。
湖畔をドライブするのもおすすめ
群青色の湖面が映える裏磐梯最大の湖
ひばらこ
湖岸周囲31.5㎞、最大水深31mを誇る裏磐梯最大の湖。自然探勝路やキャンプ場などが点在し、観光遊覧船が運航する。湖沼群のなかで最もアクティビティが充実している。
手つかずの自然が残る
裏磐梯で最も水深がある透明度抜群の湖
あきもとこ
磐梯山噴火によって川が堰き止められて生まれた湖。最大水深は34mと裏磐梯で一番深く、大きさでも2番目。透明度も高く、澄んだ湖水をたたえる。
静かな湖面に無人島が浮かぶ
水面と周りの山々とのコントラストが美しい
おのがわこ
10月中旬〜下旬に見頃を迎える紅葉の名所としても知られる。小野川湖に注ぐ小野川は「名水百選」の一つに数えられ、その源流には落差25mの小野川不動滝も流れている。