忍野八海は、富士山の雪解け水が湧出する8つの池の総称。かつては富士登山を目指す富士講信者がみそぎを行う霊場だったことから、各池に守護神の八大竜王が祀られている。エリアの中心的なスポットとなるのは中池だが、これは人工池で8つの池のうちには含まれない。
おしのはっかい
富士山の伏流水に水源をもつ8つの湧水池。「形状、水質、水量、保全状況、景観、仏教思想など」の観点から国の天然記念物に。環境省の「名水百選」にも選定されている。池をまわる順番は決まっていないので、駐車場やバス停から近い順にまわろう。池周辺には有料駐車場がある。
東富士五湖道路山中湖ICから約3.5㎞
忍野村忍草
見学自由
見学自由
見学自由
周辺駐車場利用
【バスでのアクセス】富士急行富士山駅から忍野八海・山中湖周遊バス「ふじっ湖号」または路線バスを利用して約20~25分。
水深は50cmほど。穏やかな水面に周囲の景色が映る
しょうぶいけ
初夏には菖蒲の花が見られる。夫の病気平癒を祈願した妻が、池の菖蒲を夫の体に巻けば治るというお告げを受けた伝説が残る。
富士山の姿が鏡のように映ることから鏡池の名がついた
かがみいけ
湧水量が少ないため水面が穏やかで、条件が整えば水面に富士山が映る「逆さ富士」を見られる。池には善悪を見分ける霊力があるといわれている。
池底には水中洞窟が続く美しい池
わくいけ
かつて富士山が噴火した際に、水を求めて苦しむ人々の声に応えた木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)が造ったという伝説が残る。忍野八海のなかで最も湧水量が多く、透明度が高い。
阿原川と合流する池。揺らめく水草に癒やされる
にごりいけ
一杯の水を求めた行者の頼みを断ったため、池が濁ったという伝説から濁池とよばれる。透明度が高く清らかな水が川へと流れる。
池の底の砂を巻き上げて水が湧出している様子がわかる
ちょうしいけ
阿原川沿いの草地にある池。昔、結婚式でおならをしたことを恥じた花嫁が、銚子を持ったままこの池に身を投げたという伝説がある。
お釜池と地底で水脈がつながっているといわれている
そこなしいけ
この池に落とした道具や野菜が、のちにお釜池に浮かび上がるといわれている。榛の木林資料館(入館料300円)の敷地内にある。
梅花藻の揺れ動く姿にどこか哀愁を感じる
おかまいけ
8つの池のうち最小だが、水深は深いところで約4mある。この池で洗濯をしていた姉妹が巨大なカエルによって水中に引き込まれたという言い伝えがある。
池のほとりには出口稲荷大明神が祀られている
でぐちいけ
ほかの7つの池とは離れており、溶岩の下から湧水が見られる。池の水は“清浄な水”とされ、富士登山に向かう行者たちが安全祈願のため携帯したという。
誰もがのぞき込むほど、美しいコバルトブルー。富士山も一望できる
忍野八海の観光拠点 青く美しい人工池
なかいけ
忍野八海の8つの池には属していないが、非常に高い透明度を誇る、深さ10mの人工池。池の周辺に飲食店やみやげ店が軒を連ねているので、観光客が多く行き交う中心エリアとなっている。
忍野村屈指のロケーションに出合える展望台がオープン。ほかにも、周りの自然や景観が旅人を癒やしてくれる、新しい宿泊施設も話題となっている。
張り出したデッキで富士山と対峙
おしのにじゅうまがりとうげてんぼうてらす そら の いろ
遮るものが何もない、横に広がる約50mのウッドデッキから、「関東の富士見百景」にも選出された眺望を楽しめる。二十曲峠までの林道は、幅が狭い箇所もあるので注意しよう。 広いデッキに立つと、目の前に圧巻の景色が広がる人気のスポット。
東富士五湖道路山中湖ICから約9㎞
忍野村内野
見学自由
見学自由
見学自由
臨時駐車場利用10台
1日3組限定の静謐な宿
はっかい このはなかん
3棟の客室はそれぞれが独立した、完全なプライベート空間。各部屋には半露天風呂がしつらえられ、開放感のなかで湯浴みが楽しめる。山梨県のオリジナルサーモンなど地元食材を使った月替わりの懐石料理が堪能できる。 写真は落ち着いた雰囲気の和ダイニングが特徴的な「黄金富士」の部屋。
無料で山梨のワイナリー巡りも
ぐらんどーむふじおしの
山梨県初の温泉グランピング施設。全8棟の客室はすべて、冷暖房完備の1棟独立タイプ。温泉風呂や焚火スペースを含め、高いプライベート感を誇る。オールインクルーシブで楽しめる。写真はプライベートルームやキッチンも備え、自由に過ごせる客室「ヴィラフォレスタ」。