
およそ1200年の歴史が今に続く古都・京都。歴史ある神社仏閣を巡るのは京都の旅の醍醐味のひとつだが、市内からひと足延ばして楽しめる“ひと味違う京都”がまだまだある。「海」「森」「お茶」「竹」の4つのエリアの、それぞれの見どころやお楽しみを一挙ご紹介。片道約20分のエリアから1泊して存分に楽しみたい「海の京都」エリアまで、まだ出合ったことのない京都の奥深い魅力を発見する旅に出かけよう!


日本三景の名所に美しい夕日、風情ある海景色を堪能
うみのきょうと
京都北部に広がる宮津市、伊根町、京丹後市、与謝野町、福知山市、舞鶴市、織部市の7つの市町によって構成されるエリア。日本三景のひとつである天橋立や伊根の舟屋、夕日の美しさで知られる夕日ヶ浦など観光スポットが満載。丹後半島周辺には自然に恵まれた温泉旅館が点在しているので、ぜひ1泊して良質な湯にゆっくりと浸かりたい。また、伊根ブリ、カキ、カニなど新鮮な魚介類を堪能できるのも海沿いの町ならでは。

宮津市
あまのはしだて
日本海の宮津湾にあり、松島(宮城県)、宮島(広島県)と並ぶ日本三景のひとつ。幅は約20〜170m、全長約3.6kmの砂州に約6700本もの松が生い茂る。天にかかる橋に見えると名高い神秘的な造形を展望台から眺めよう。
JR京都駅から天橋立まで車で京都縦貫自動車道経由約2時間。特急を利用すれば約2時間(乗換1回)で行けるが、できれば1泊してゆっくりと名所をめぐりたい。レンタサイクルを利用して天橋立を颯爽と走った後は、日本海でとれた新鮮な魚介を堪能。日本三文殊のひとつとされる智恩寺にも立ち寄りたい。翌日は海にせり出した家々の独特な景観で人気の伊根の舟屋に足を延ばそう。


京丹後市
ゆうひがうら
京都の最北端に位置する京丹後市にある夕日の名所。浜辺には記念撮影にぴったりなビーチブランコやモニュメントが並ぶ。夕日の時間に合わせてフォトジェニックなスポットへ足を運んでみたい。
JR京都駅から夕日ヶ浦まで車で京都縦貫道経由約2時間30分。夕日ヶ浦のサンセットタイムを旅のハイライトに、肌ざわりのよい「美人の湯」夕日ヶ浦温泉に1泊しよう。海岸沿いをドライブしながら、迫力ある立岩や五色浜の近くにたたずむ静神社などの名所をめぐるのもおすすめ。食事は郷土料理の丹後ばらずし、冬ならカニやカキを味わいたい。


舞鶴市
まいづるあかれんがぱーく
明治・大正時代から残る倉庫を利用した施設で、赤れんが倉庫12棟のうち8棟が重要文化財に指定されている貴重な建物だ。モダンなカフェやショップ、博物館などがあるので、ノスタルジックな雰囲気を感じながらのんびり散策を。
JR京都駅から車で約1時間40分
舞鶴市北吸1039-2
散策自由(赤れんが博物館は有料)
外観見学自由(館内は9〜17時、イベントは〜22時まで)
無休
500台(30分まで無料、最大500円)
JR京都駅から舞鶴赤レンガパークまで車で京都縦貫道経由約1時間40分。午前中に舞鶴赤レンガパークで過ごした後は、近畿百景第一位に選ばれたことのある五老スカイタワーへ。標高約300mの高台から美しいリアス海岸を満喫。ランチには、ご当地名物の海軍カレーを。護衛艦などを間近に見られる海軍ゆかりの港めぐり遊覧船もはずせない。

山々の懐で育まれる里山の美しい風景と森の恵み
もりのきょうと
福知山市、綾部市、京丹波町、南丹市、亀岡市、京都市左京区京北の6つの市町で構成されるエリア。茅葺き屋根が美しい日本の原風景や、農村ののどかな生活を感じられる里山の風景、ダイナミックな自然美を肌で感じられる川下りなど、自然豊かな森と共に発展してきたもうひとつの京都の顔に出合える。春の山菜、夏の鮎、秋の丹波くり、冬のジビエなど季節を通して味わえる山や川の幸も楽しみのひとつ。

南丹市
みやまかやぶきのさと
日本の原風景が広がる美しい集落。江戸時代〜明治時代に建てられた茅葺き屋根の家屋が多く残る。春の桜、秋の紅葉、冬の雪景色など季節ごとに違った趣を味わえるのも魅力。
JR京都駅から美山かやぶきの里まで車で京都縦貫道経由約1時間30分。集落を散策しながら美山牛乳で作られたジェラートや手打ちそばなどを味わいたい。美山かやぶきの里の中には宿泊可能な棟もあるので、1泊して屋根葺き体験や原生林散策などの里山体験を楽しむのもいい。集落周辺は細い道やカーブが続く場所もあるので運転には注意を。


福知山市
ふくちやまじょうてんしゅかく
天正7年(1579)に明智光秀が築城。復元された天守閣内部では光秀や歴代城主に関連する資料を展示。望楼からの眺望は見事で、城下町や遠く丹波山々まで見渡せる。日没〜22時頃までのライトアップも幻想的。
JR京都駅から車で約1時間30分
福知山市字内記5
入館330円
9〜17時(入館は~16時30分)
火曜(祝日の場合は翌日)
70台(福知山城公園観光駐車場利用)
JR京都駅から福知山城まで車で京都縦貫道経由約1時間30分。福知山城を見学した後は福知山城周辺で食べられる名物鴨すきをはじめ、黒豆や栗を使ったスイーツも堪能したい。食後は、車で約30分のところにある元伊勢内宮皇大神社に足を延ばすのもおすすめ。茅葺の本殿や全国で2例しかないといわれる「黒木の鳥居」などがある。


亀岡市
ほづがわくだり
亀岡から嵐山までの約16kmの船旅が楽しめる。自然が造り出した巨岩や奇岩などの間を縫って船は進む。桜に彩られる春、木々が色付く秋など豊かな自然を感じながら約2時間の船旅へ出かけよう。
JR山陰本線亀岡駅下車、徒歩約10分。またはJR京都駅から車で約40分
亀岡市保津町下中島2
乗船6000円
9〜15時(3月10日〜12月13日)、10時〜14時30分(1月5日〜3月9日)、土・日曜、祝日は臨時船が出航する場合あり
2月1日、2月4日、9月2日 ※営業時間、休みは2026年の情報
80台(車の回送サービスはなし)
JR京都駅から車で京都縦貫道経由約40分。川下りは半日あれば楽しめる。下船場が嵐山になるため、川下りの前にJR嵯峨嵐山駅から電車で約30分の園部駅で下車し、日本最古の天満宮・生身天満宮にも足を延ばしたい。亀岡市にある縁結びで有名な出雲大神宮も要チェック。保津川下りの思い出には、船士魂Tシャツなどの限定グッズや、丹波大納言を使用した豆菓子、伝統的な製法で作られる亀岡の地酒などを。

人々の生活とともに時を重ねてきた社寺とお茶の聖地
おちゃのきょうと
宇治市、城陽市、八幡市など12の市町村によって構成されるエリア。日本緑茶の歴史はこの京都山城エリアから始まり、今もなおその文化が受け継がれている。そんな「お茶の京都」では鮮やかな緑がどこまでも続く茶畑の景観や、お茶を使ったグルメなどを楽しみたい。お茶と宇治のまち歴史公園にある茶づなにはお茶の歴史を学べるミュージアムや、石臼で挽いた抹茶を点てる体験スポットも。のんびりとした空間でお茶の魅力を五感で感じよう。

和束町
いしてらのちゃばたけ
町内のいたるところに茶畑が広がる和束町。なかでも石寺の茶畑は空に向かって立ち上がるような立体的な景観が美しい。文化庁指定の日本遺産「日本茶800年の歴史さんぽ」を構成する「構成文化財」のひとつにも登録されている。
JR京都駅から石寺の茶畑まで車で国道24号・163号経由約1時間10分。近くにある白栖の茶畑や撰原の茶畑をはしごして訪れるのもいい。車で約15分ほどの宇治田原町にある、創建800年の歴史ある正寿院では、ハート型の「猪目窓」がフォトスポットとして人気。和束茶を使用したそばやスイーツなどのグルメも味わおう。※茶畑は私有地のため、立ち入らないよう注意。


八幡市
いわしみずはちまんぐう
「やわたのはちまんさん」の名前で親しまれ、平成28年には本社10棟、附棟礼3枚が国宝に指定された。古代に成立した社殿形式を保持しつつ、近代的な装飾を兼備した見事な神社建築は見応えがある。
京阪本線石清水八幡宮駅下車、石清水八幡宮参道ケーブルで3分、八幡宮山上駅下車、徒歩約5分。またはJR京都駅から車で約40分
八幡市八幡高坊30
参拝自由
6〜18時(授与所は9〜16時)
無休
60台(最大500円、9〜16時)
JR京都駅から石清水八幡宮まで車で国道1号経由約40分。参拝後は門前で江戸時代中期から愛されている銘菓走井餅や鯖の棒寿司を味わいたい。石清水八幡宮駅からバスで約10分の場所に松花堂庭園・美術館、石清水八幡宮駅から徒歩約5分の場所には飛行神社がある。飛行神社は実機部品や資料展示が見られるユニークな神社。


宇治市
おちゃとうじのまちれきしこうえん ちゃづな
宇治茶や宇治の歴史・文化を知ることのできるスポットとして注目を集めている。おすすめは宇治抹茶の体験プログラム。自分で茶臼から挽いた抹茶を点てて飲むことができる。レストランやショップも併設。
JR奈良線宇治駅下車、徒歩約12分。またはJR京都駅から車で約30分
宇治市菟道丸山203-1
ミュージアムは入館600円、体験プログラムは内容により料金が異なる
9〜17時(ミュージアムの最終入場は~16時30分)
無休
73台(30分150円、最大料金800円、8~23時)
JR京都駅からお茶と宇治のまち歴史公園まで車で第二京阪道路経由約30分。茶づなから徒歩10分ほどの距離にある平等院鳳凰堂はやはりマストで訪れたい。同じく徒歩圏内の宇治上神社は、現存する最古の神社建築と伝わる趣のある社。宇治茶の老舗が経営するスイーツショップなど、抹茶スイーツが楽しめるお店も多いので、お目当てのお店をリサーチしてからでかけたい。

歴史と芸術と自然と食と、京都らしさがギュッと詰まった穴場エリア
たけのさと・おとくに
京都府の南西に位置し、向日市、長岡京市、大山崎町からなる。京都と大阪を結ぶ交通の要衝であることから、古墳や城址など歴史遺産に恵まれている。「竹取物語」発祥の地ともいわれ、清々しい竹林が広がる竹の径はかぐや姫のふるさとを感じさせる。美しい庭園を有する美術館や歴史資料館もあり、京都市内の喧騒から少し離れ、静かに落ち着いて観光が楽しめる。また、このエリアはJR京都駅から電車で約20分とアクセスしやすいのも魅力。

向日市
たけのみち
向日市北西部にある向日丘陵の竹林を整備し作られた竹の径。竹の枝を束ねた「竹穂垣」をはじめ、古墳の形を表現した「古墳垣」など、8種類の竹垣が連なる全長約1.8kmの竹林道をのんびり歩きたい。
阪急電鉄京都本線阪急洛西口駅下車、徒歩約15分。または阪急東向日駅下車、徒歩約25分
向日市寺戸町中野20
京都市洛西竹林公園駐車場利用(有料)
竹の径をそぞろ歩いた後は、室町時代に造営された本殿が国の重要文化財に指定されている向日神社に向かおう。春には桜、秋には紅葉したカエデのトンネルが見事。また、向日市は激辛の聖地として町おこしを行なっており、各店自慢の激辛グルメが人気。また、地域を代表する食文化が楽しめる香月庵では、たけのこごはんが味わえる。京たけのこ(乙訓たけのこ)を使った商品も要チェック。


長岡京市
ながおかてんまんぐう
菅原道真公を祀る日本を代表する天満宮のひとつ。キリシマツツジの名所として知られ、毎年4月中〜下旬頃のシーズンには多くの参拝客で賑わう。樹高2.5mを超える真紅のキリシマツツジは圧巻の美しさだ。
阪急京都線長岡天神駅下車、徒歩約10分
長岡京市天神2丁目15-13
参拝自由
参拝自由(社務所は9〜17時)
無休
60台(第1駐車場は40分無料、以降30分毎に100円、第2駐車場は30分毎に100円、1日最大600円)
長岡天満宮に参詣した後は、天満宮の北側にあるShop&Gallery 竹生園へ。竹製品の販売のほか青竹の懐石箸作りや、竹茶碗での茶道体験などさまざまなイベントを開催している。また、市内の洋菓子店では新名物のたけのこマカロンを販売。素材や見た目にタケノコをとり入れたキュートなマカロンはおみやげにも喜ばれそう。


大山崎町
あさひぐるーぷおおやまざきさんそうびじゅつかん
大正から昭和初期にかけ建設された大山崎山荘を活用した美術館。美しい庭園が大山崎の景観と一体となった特別な空間で、優雅に作品鑑賞を。クロード・モネの傑作『睡蓮』連作などを展示。
JR京都線山崎駅下車、徒歩約10分
乙訓郡大山崎町銭原5-3
企画展により異なる
10〜17時(入館は~16時30分)
月曜(祝日の場合は翌日)、臨時休館あり
なし
アサヒグループ大山崎山荘美術館で美術鑑賞をした後は、歩いて徒歩約10分ほどのところにある宝積寺へ。秀吉が一夜で建てさせたと伝わる三重塔がみどころで、通称「宝寺」ともよばれる縁起のよさも魅力。毎週土曜日(1~3月は隔週)に円明寺脇山広場で開催される「大山崎町いきいき朝市」や、町内の農家が運営する直売所で新鮮な京野菜を買って帰るのもいい。なお、美術館の敷地内は車両進入禁止なので、車利用者はJR山崎駅周辺のコインパーキングに駐車後、徒歩か無料送迎バスで来館を。