
16世紀にスペイン・ポルトガルから伝えられたカステラは、今や長崎みやげの大定番。選ぶなら伝統の味が受け継がれている老舗の逸品を。しっとりとした食感とふんわり香る卵の風味が魅力。

ふくよかな生地が特徴。ザラメ糖の角をすり減らしながら生地になじませ底に残すことで、ほどよい食感が生まれる

かわいい小箱にカステラ2切れ入った食べきりサイズ。いつでもどこでも味わえる

砂糖とザラメ糖、卵を通常より多く使い小麦粉を少なめに配合。熟練の職人の高度な技術が必要な特別なカステラ
思案橋周辺
ふくさや ながさきほんてん
創業寛永元年(1624)。卵の手割りから泡立て、生地作り、焼き上げまで、職人が責任をもって仕上げるこだわりの製法を守り続ける。この製法から生まれたカステラは、ふくよかな卵の香りと底に残ったザラメ糖の食感が特徴だ。漆喰壁の趣ある店構え。内部にはガラスのコレクションも。


カステラは、最適な原料と焼き方を極め、絹のようにやわらかで上品な味わい。チョコラーテは、明治中期に8代目が考案。特注のチョコレートを使用したチョコの風味豊かな一品

卵黄と砂糖を増し、小麦粉を減らした生地はより濃厚でしっとり

2種類をセットにした人気の詰め合わせ
思案橋周辺
しょうおうけん
カステラとチョコラーテが二枚看板。素材のよさとそのバランスが決め手という信念から手焼きにこだわり、熟練職人が1枚ずつ丁寧に焼き上げている。2階には喫茶セヴィリヤがある。創業以来340年余り、この場所で歴史を刻む。


新鮮なカステラ専用の卵「南蛮卵」を使用することで、風味とコクを醸し出す

選ばれたカステラ職人だけが作る特撰カステラは、和三盆、お濃茶、黒糖の3種類
出島周辺
ぶんめいどうそうほんてん
長崎カステラの特徴である底のザラメ糖をはじめ、多良岳山系で独自に生産されている南蛮卵、もち米、水飴など素材すべてを厳選。受け継がれてきた伝統の技術による、上質な口どけを味わって。明治33年(1900)創業。


提供できない場合や、予約優先だが、予約ができない場合もあるので事前に確認を
眼鏡橋周辺
いわながばいじゅけん
創業は幕末の天保元年(1830)。数量限定のカステラが大人気。焼き上げた後にひと晩かけて生地を休ませることで、水分を含んだしっとり食感になるという。船底板を使ったと伝わる看板は大正時代のもの。


異なる味わいのカステラを重ねた美しい二層仕上げ。抹茶と大納言小豆、蜂蜜と大納言小豆の2種類
浜町周辺
いずみやほんてん
「いつも新しいおいしさ」をモットーに、伝統の製法と新しいアイデアを融合させたカステラスイーツを次々考案している。店舗の設計は隈研吾氏で、2階はドリンクとカステラのセットの注文で利用できるセルフカフェになっている。


カステラの原型といわれるお菓子は2つある。スペインで作られていたbizcocho(ビスコチョ)と、ふんわり軟らかいポルトガルのお菓子paõ de ló(パン・デ・ロー)。ビスコチョは保存食として用いられ、大航海時代の船乗りたちの貴重な食べ物だった。一方、パン・デ・ローはふわりとした焼き上がりで、クリスマスや結婚式など祝いの席に出されるお菓子。どちらも修道院で作られた宗教菓子で、滋養のあるお菓子だった。
ポルトガル人宣教師たちが、長崎を訪れ、製法を伝授する際に、スペインの「カスティーリャ王国で作られているお菓子」と説明したことから生まれたという説がある。カスティーリャはポルトガル語で「カステラ」と発音する。
江戸時代に平戸で制作された『百菓之図』には、和菓子に交じってカスドースというお菓子が紹介されている。ひと口大のカステラ生地に卵黄をたっぷりとまぶし、煮立てた糖蜜をくぐらせグラニュー糖をまぶしたもの。平戸藩主・松浦家だけの菓子として、製造法は門外不出とされた。伝来したのは470年ほど前と伝わり、今もその甘さは健在だ。ふた口サイズのカスドースは砂糖がたっぷり(写真)。
