御蓋山(春日山)の麓に広がる悠久の森のなかに、朱塗りの社殿が立ち並ぶ美しい古社。縁結びなどさまざまなご利益をいただけることでも有名だ。
かすがたいしゃ
全国に約3000社あるという春日神社の総本社。平城京ができたころ、常陸国(ひたちのくに)(現在の茨城県)の鹿島から武甕槌命(たけみかづちのみこと)を勧請して都の守り神とし、神護景雲2年(768)に社殿を造営したのが始まり。以来、皇室から庶民まで幅広く信仰されてきた。御蓋山(みかさやま)の麓に広がる神域は緑豊か。本社に朱塗りの社殿が立ち並ぶほか、さまざまなご利益をいただける神社が森の中に点在する。このうち摂社の春日若宮では20年に一度の修理事業「式年造替」が2022年10月に完了した。
奈良市春日野町160
近鉄奈良駅から奈良交通バス春日大社本殿行きで8分、終点下車すぐ
境内自由(御本殿特別参拝、国宝殿は各500円)※2024年10月1日からは御本殿特別参拝700円
開門6時30分~17時30分(11~2月は7~17時)、御本殿特別参拝9~16時※いずれも変動あり。国宝殿は10~17時 【所要時間】約2時間
無休(国宝殿は展示替えなどによる臨時休館あり)
有料100台
春日大社の中心である本社回廊内の社殿は、特別参拝受付で500円を納めると参拝できる。大社の真髄に触れられるエリアなのでぜひ。
※神事などにより参拝できない場合あり
中門は本殿の前に立つ高さ約10mの楼門。特別参拝ではこの門から本殿を拝むことができる。御廊は中門の左右に延びる細長い建物。江戸時代初期の造替ながら古様式を残す。
屋内に多くの釣燈籠を灯し、2月節分とお盆に行われる伝統行事・万燈籠を再現。いつでも幻想的な行事を体感できる。
中門の前から参拝する。春日造の4棟が横一列に並んでおり、第1殿からそれぞれ武甕槌命(たけみかづちのみこと)、経津主命(ふつぬしのみこと)、天児屋根命(あめのこやねのみこと)、比売神(ひめがみ)を祀る。創建以来、式年造替を重ねており、現在のものは2016年に修理を終えた。
第60次式年造替を機に約140年ぶりに開門された後殿御門から、本殿の背後に鎮座する5つの神社を参拝できる。
社殿の東にそびえる御蓋山の頂上・浮雲峰の遥拝所。浮雲峰は武甕槌命が降り立ったとされる聖地で、入山は厳しく制限されている。
春日大社は国宝354点、重要文化財2503点を含む多数の文化財を所有しており、「平安の正倉院」とも称される。これら王朝時代の美術工芸品、日本を代表する武器武具などを収蔵し、時期別に公開するのが国宝殿。光と水で春日の聖域を表現した展示室「神垣(かみがき)」、春日若宮おん祭(12月15~ 18 日)の舞楽演奏で使われる日本最大級の鼉太鼓(だだいこ)などもみどころだ。カフェ・ショップ鹿音を併設。
本社の南にあるこちらのご祭神は、大國主命と奥さまの須勢理姫命。日本で唯一、大國さま夫婦を祀る神社であり、縁結びや夫婦円満などの絶大な信仰を集める。お願いはピンク色のハート形絵馬で。
約3万㎡もの敷地に、『万葉集』に詠まれている約300種の植物を栽培。四季折々に可憐な草花を見ることできる。園内中央の池に浮かぶ雅な舞台では、5月5日と11月3日に萬葉雅楽会が開催される。
【料】入園500円【時】9時~16時30分(入園は~16時)【休】12~2月の月曜(祝日の場合は翌日)
萬葉植物園からすぐ
かすがにないちゃや
萬葉植物園の入口前にある庭園喫茶。名物の万葉粥1200円は、昆布だし、白味噌仕立てのやさしい味。具の内容は月替わりで、万葉集にちなんだ野菜などが入る。
国宝殿からすぐ
かすがたいしゃ かふぇ・しょっぷ かおん
国宝殿1階にあるカフェ。抹茶クリームあんみつやぜんざいなどの甘味メニューのほか、三輪そうめんを使用したにゅうめんなどもある。店内ではミュージアムグッズの販売も。