表参道から東照宮の最深部・奥宮まで、余すことなく見て回ろう。階段も多いので、履きなれた靴がおすすめ。
にっこうとうしょうぐう
元和3年(1617)、2代将軍秀忠公が家康公を祀る「東照社」として造営。3代将軍家光公による「寛永の大造替」で、豪奢な社殿群に建て替えられた。現在の400億円相当を費やし、約1年5カ月という短期間で完成。境内には国宝8棟、重要文化財34棟を含む55棟がある。
にっこうでんどうあんないきょうどうくみあい
日光山内のオフィシャルガイドで、江戸時代の案内人でもある「堂者引き」を起源にもつ。知られざる話を織り交ぜながら、楽しく分かりやすく案内してくれる。
杉並木に囲まれた、東照宮へと続く参道。石鳥居の手前の階段は、遠近法で鳥居が高く、遠くに見えるように、上にいくほど幅が狭くなっている。
東照宮の表玄関。高さは9m、柱の太さは3.6mもあり、江戸時代の石造りの鳥居のなかでは最大規模を誇る。扁額の大きさは畳1畳分もある。
慶安3年(1650)、小浜藩主・酒井忠勝が寄進。のちに焼失し、現在の建物は文政元年(1818)に再建されたもの。現在は初層内部が公開され、心柱などを見学できる。【料】見学300円
左右に睨みをきかせた仁王像が立っていることから、「仁王門」ともよばれる。門に施されたバク、麒麟、象、虎など82の木彫りの彫刻も見ごたえあり。
校倉造の建物で、上神庫・中神庫・下神庫を合わせて三神庫とよぶ。軒下には、狩野探幽が下絵を描いたと伝わる2頭の像の彫刻が施されている。
日光東照宮に仕える神馬の馬屋。昔から猿は馬を守るとされ、本物の猿の代わりに彫刻が施されたと伝わる。「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿の彫刻が有名。
江戸時代初期の工芸・装飾技術の粋を集めた豪華絢爛な門で、508体の彫刻が施されている。平成の大修理が完了し、色鮮やかに蘇った姿は必見だ。
将軍や大名のみが通ることができた御本社の正門。間口3m、奥行2mと小規模だが、彫刻は611体と陽明門よりも多い。白い部分には貝をすり潰した胡粉という塗料を使用。
拝殿、神霊を祀る本殿、その2つを結ぶ石の間からなる権現造の建物。拝殿内部の彫刻や杉戸絵など、見ごたえのある優れた作品が多い。
御本社から奥宮へ通じる廻廊で、上部に眠り猫の彫刻がある。縦が約15cm、横が約21cmと意外と小さいので、見逃さないように注意しよう。
拝殿・鋳抜門・宝塔からなる家康公の墓所。宝塔には家康公の分骨された骨が納められているとか。宝塔の前には鶴の燭台、獅子の香炉、花瓶といった三具足が置かれている。