福島県「会津若松駅」から新潟県「小出駅」までを結ぶJ R東日本只見線。2022年10月1日に、36駅、全長135・2㎞が約11年ぶりに全線運転を再開。絶景ポイントが多い路線として知られる、只見線沿線の魅力をたっぷりご紹介。
国道252号、JR只見線、福島県道237号のアーチ橋が連なる「宮下アーチ三兄(橋)弟」
福島県「会津若松(あいづわかまつ)駅」から新潟県「小出(こいで)駅」まで36駅、全長135・2㎞のJ R東日本只見線が、2022年10月1日に約11年ぶりに全線運転を再開した。平成23年(2011)の新潟・福島豪雨は多くの爪痕を残し、その1つが不通となっていた会津川口駅から只見駅間。「再開から再会へ」を復興の合言葉に、ようやく2つの県が結ばれた。
只見川を縫うように走る只見線は、乗車している人はもちろん、その姿を眺める人にも絶景ポイントが多い路線として知られる。特に「会津桧原(あいづひのはら)駅」と「会津西方(あいづにしかた)駅」間の第1只見川橋梁を走るその姿は壮麗のひと言に尽きる。山間を抜け只見川を渡る列車はアーチ型の橋梁とともに水鏡に映る。国道252号沿いの「道の駅 尾瀬街道みしま宿」には橋梁が望める頂上へ続く遊歩道が設けられている。晴れた日は爽快に、曇りや雨のときは幽玄な姿を見ることができる。「会津川口駅」近くには川霧に沈む大志集落「大志ビューポイント」が。「早戸駅」で下車し「霧幻峡の渡し船」を体験するのもいい。
また「会津柳津(あいづやないづ)駅」からほど近い、「憩の館ほっと in やないづ」は福島名産の赤べこの里。ここでは名物の「柳津ソースカツ丼」でお腹を満たしたい。
「会津若松駅」周辺には「鶴ヶ城」や「会津松平氏庭園 御薬園」など会津藩ゆかりのスポットが点在。会津の郷土料理を「渋川問屋」で愉しんだ後は、福島出身の医師・野口英世ゆかりの「會津壹番館」でカフェタイム。和菓子の老舗「会津 長門屋本店」でお気に入りに出合ったら、名宿、「会津東山温泉 向瀧」で列車旅の余韻に浸りたい。
● JR只見線に乗って途中下車しながらみどころや駅から徒歩圏内の道の駅を巡ろう
● JR会津若松駅を拠点に温泉旅館に宿泊。行きまたは帰りに駅周辺の店舗を訪れる
1.明るく開放感あふれる道の駅は食堂も人気/2.遊歩道の先に第一只見川橋梁の眺望スポットがある。紅葉の時期は観光客で賑わう
人気のビューポイントもある奥会津の玄関口
みちのえき おぜかいどうみしまじゅく
第一只見川橋梁ビューポイントへの遊歩道まですぐ。ここからも渓谷が一望できる。会津桐製品や地元の特産品販売があり楽しい。
周囲には観音や地蔵、古民家などがそのまま残り霊気に満ちている
川霧が包む幻想的な風景
むげんきょうのわたしぶね
約50年前に廃村となった集落と対岸を結んでいた渡し船を復活させたもの。和船に乗って見る川霧が立ちこめる夏の朝夕の風景はこの世のものとは思えないほど幻想的な体験となる。
福島県三島町早戸19
(金山町観光物産協会)
JR只見線早戸駅から徒歩2分
4月下旬〜11月中旬の7時〜日没まで。※要事前予約
公式サイトを確認
10台
1艘45分6000円〜(3名まで、変更の場合あり)
車で数分の距離も、旅の途中なら徒歩でのんびり行くのがいい。駅から20分ほどで到着の道の駅には、絶品ソースかつ丼。会津若松駅周辺では、カフェやおしゃれようかんに出合える。
1.県内最大級の足湯のほか、赤べこグッズも揃う/2.ご飯の上にキャベツと卵、サクサクのかつが特徴の柳津ソースカツ丼1000円
温泉地ならではの足湯と地元自慢のグルメを堪能
いこいのやかたほっといんやないづ
道の駅 会津柳津に併設。銘菓の職人技を間近に見学できるほか赤べこ絵付け体験、縄文時代の出土品の展示、歩くことのできる無料開放の足湯など楽しみはつきない。地元グルメ柳津ソースカツ丼とあわまんじゅうが食べられる。
庭園の奥にある女滝は、穴場の絶景スポット
国の名勝に指定されている山水庭園
あいづまつだいらしていえん おやくえん
歴代藩主の別荘であり、各種薬草を栽培する薬草園が名前の由来となる。回遊式庭園の風情を楽しむことができる。
福島県会津若松市花春町8-1
JR会津若松駅からまちなか周遊バス「ハイカラさん」で29分、御薬園下車すぐ
8時30分〜17時(最終入園16時30分)
無休(臨時休園あり)
40台
入園330円
1.祭りご膳(鶴コース)2200円。郷土の味が一度に堪能できる/2.囲炉裏を囲んだ座敷のほかに洋間や蔵座敷もある
明治の海産物問屋で郷土料理に舌鼓
しぶかわどんや
内陸、会津の料理で多用する昆布や身欠きニシンなど、海産の乾物を扱う老舗の海産物問屋が営む郷土料理店。食事処は和の情緒を感じる座敷のほか、洋間や蔵座敷もある。
Fly Me to The Moon 羊羹ファンタジア1本3500円。小豆羊羹やクルミなど味の変化も楽しい
絵画のようなフォトジェニックスイーツ
あいづ ながとやほんてん
嘉永元年(1848)、藩主の命を受けて和菓子を作り始めたという老舗。郷土菓子を中心にさまざまな商品を販売している。看板商品は、切るたびに絵柄が変化する羊羹ファンタジア。
1.会津の蔵元の酒粕を使った酒粕プリン550円など/2.野口英世が手のやけどを手術した旧會陽医院の建物
レトロな雰囲気が漂う店内でカフェタイム
あいづいちばんかん
明治17年(1884)築の蔵造りの洋館を改装。以前は病院や銀行としても使われた建物で、会津の人々を長い間見守ってきた。アンティークランプが灯る店内は落ち着いた雰囲気。自家焙煎のコーヒー495円〜や自家製スイーツを味わえる。
1.明治期建造の数寄屋造りの建物は、平成8年(1996)に国の登録有形文化財に登録された。当時、宿泊施設で唯一の登録/2.明治時代から皇族が利用した特別室「はなれの間」/3.耳に響く滝の音と開放的な外の眺めが旅の疲れを癒やしてくれる
あいづひがしやまおんせん むかいたき
明治6年(1873)創業の、著名人も訪れる由緒正しい温泉宿。すべての内湯には自家源泉かけ流しの湯が注がれ、24時間入浴できる。地場食材を使った体にやさしい郷土料理も魅力の一つ。
福島県会津若松市東山町湯本川向200
JR会津若松駅からまちなか周遊バス「あかべぇ」で15分、東山温泉駅下車後すぐ
IN15時/OUT10時
1泊2食付1万9950円〜
40台