
小田原を起点に箱根をぐるっと1周するコース。総距離約100km、2度の大きな峠超えがある坂道だらけの上級者向け。峠から見る絶景や爽快な芦ノ湖畔、潮風を感じる海岸線など、変化に富んだ風景を楽しめる。ハードなルートだけに達成感はひとしお。自分のペースで挑戦しよう。


身体に合った自分の自転車が最適。走りの軽いロードバイクや、軽いギアの付いたマウンテンバイクでもOK。とにかく上り坂が多いので、強い心で挑もう。写真は芦ノ湖から大観山展望台へと向かう坂道。


宿泊は芦ノ湖周辺で。峠越えに自信がない人は車やバスなどで移動し、芦ノ湖周辺をシェアサイクルで楽しむのもあり。芦ノ湖周辺のシェアサイクルについては、記事中盤を参照。


山、湖、海とルート上には次々に絶景スポットが現れる。この坂道の先にある風景をご褒美に、頑張って前に進もう。写真はルート随一の絶景スポット「大観山展望台」からの眺め。

小田原の市街地を抜けるとすぐにアップダウンが始まる。出発から20km地点からは上りが続き矢倉沢峠近くの金時隧道がこの日の最高標高地点。仙石原の上り返しを過ぎれば芦ノ湖はもうすぐ。



1.五色だんごセット1100円には足柄茶またはコーヒーが付く/ 2.落ち着いた雰囲気の店内
だいゆうざんちゃやてんぐ におうもんほんてん
大雄山最乗寺の参道入口にある和菓子の店。銘菓道了餅や下駄まんじゅうなどを販売するほか、併設の茶房では喫茶や食事も楽しめる。つぶあん、みたらし、うめ、味噌、足柄茶あんの5つの味を楽しめる五色だんごセットや、わらび餅などが名物。


県道78号線に入るとずっと上り坂が続く


1.古民家風の店。テラス席もある/ 2.夏に登場するトマトだれの肉みそうどん920円
あしがらこどう まんよううどん ほんてん
職人のこだわりが詰まった手打ちうどんの店。金太郎の力水でこね上げ、店内で打つ麺はコシが強く喉ごしも滑らか。出汁などにも自然素材を贅沢に使っている。定番の湯うどんやザルうどんのほか、季節ごとの創作うどんが人気。セルフサービスのおでんも美味。
JR松田駅から車で20分
南足柄市矢倉沢2393
11時30分~17時
木曜
店から徒歩1分の共用駐車場利用(無料)
【自転車データ】駐輪スペースあり、バイクラックあり、空気入れ貸し出しあり、工具貸し出しあり


少しコースを外れて夕日の滝まで足を延ばそう。落差23m、幅5mの滝で、ここで金太郎が産湯をつかったと伝わる。「足柄古道 万葉うどん 本店」からは自転車で10分。キャンプ場の脇にある滝下駐車場からは沢沿いを歩いて3分ほど


1.ラリックの傑作を集めたジュエリーの部屋/ 2.オリエント急行のティータイムは先着順に案内。ティーセット付2750円/ 3.ベッドサイドランプ「日本の林檎の木」1920年/ 4.ブローチ「シルフィード」 1897~1899年ごろ
はこねらりっくびじゅつかん
フランスを代表する工芸家ルネ・ラリックが手がけたジュエリーやガラス作品など、1500点ものコレクションから約230点を展示。香水瓶やジュエリー、花器など、繊細な作品を鑑賞できる。ラリックが装飾を施したオリエント急行の車両を移設したカフェでは、優雅なティータイムを。
箱根登山鉄道強羅駅から車で15分
箱根町仙石原186-1
入館1500円
9~16時(最終入館15時30分)
成人の日の翌日から11日間
70台
【自転車データ】駐輪スペースあり


1.木道からさまざまな湿生植物を観賞できる/ 2.園の奥にある仙石原湿原植生復元区
はこねしっせいかえん
箱根仙石原湿原の植物群落の保護を兼ねて開園した植物園で、湿原や川、湖沼などの水湿地に生育する植物200種をはじめ、草原や林の植物、その他外国の珍しい山草など約1700種が集まる。1周40分ほどの園路を順に歩くと、初期の湿原から発達した湿原へと変化する様子を見ることができる。湿原本来の姿を維持している仙石原湿原植生復元区にも足を延ばそう。
箱根登山鉄道強羅駅から車で15分
箱根町仙石原817
入園700円
9~17時(最終入園16時30分)
12月1日~3月19日
90台
【自転車データ】駐輪スペースあり


1.ラウンジの外には雄大な風景が広がる/ 2.箱根全山のジオラマでサイクリングルートをたどってみよう
はこねビジターセンター
環境省が運営する箱根の情報発信基地。受付カウンターにはスタッフが常駐しており、周辺の自然情報などを発信。箱根全山マップや巨大なジオラマもあり、火山活動によって造られた箱根の地形を俯瞰できる。館内のラウンジでは風景を楽しみながらゆったりと休憩できる。
箱根登山鉄道強羅駅から車で20分
箱根町元箱根164
入館無料
9~17時(最終入館16時30分)
第2・4月曜(祝日の場合は翌日)
40台
【自転車データ】駐輪スペースあり


1.本館レイクビューツインルーム/ 2.メインダイニングルーム ル・トリアノンのコースの一例/ 3.開放感のある蛸川温泉 箱根 湖畔の湯
ざ・ぷりんす はこねあしのこ
箱根の自然に溶け込むように佇む絶景のリゾートホテル。建築界の巨匠、村野藤吾氏が手がけた広々とした館内には3つのレストランとラウンジ、温泉施設などがあり、ゆったりと滞在を楽しめる。各種アクティビティが充実しているほか複合リゾート「箱根園」にも隣接している。
箱根登山鉄道強羅駅から車で20分
箱根町元箱根144
ツインルーム3万2600円~(2名利用時の1室料金)
135室
チェックイン15時/チェックアウト11時
282台
【自転車データ】駐輪スペースあり
ザ・プリンス 箱根芦ノ湖の館内には西洋料理、日本料理、ブッフェの3つのレストランがある。食事込みの宿泊プランもあるのでチェックしてみよう。ホテルから3kmほどの元箱根港周辺にも数軒の食事処がある。

車や公共交通機関で芦ノ湖を訪れる場合はレンタサイクルがおすすめ。観光施設が集まる芦ノ湖の東側、ザ・プリンス 箱根芦ノ湖から湖の南端付近にある白浜口にかけての約6.6kmは、アップダウンが少ない湖畔の道路を走ることができる。湖と富士山の絶景を眺めながらサイクリングを楽しもう。人気の海賊船など芦ノ湖らしい風景が広がる。

はろーさいくりんぐ
スマホで簡単に利用できるシェアサイクル。ロゴがある無人ステーションであればどこでも借りられてどこでも返せる。利用前にアプリをダウンロードしておこう。芦ノ湖周辺では箱根町や元箱根などにステーションがある。 (写真)1.元箱根のステーション/ 2.アプリで簡単に利用できる


芦ノ湖からルート最難関の大観山へ。上りきった先はカーブが連続する下り坂。見通しが悪いのでゆっくり安全に走行しよう。後半の海岸沿いも細かいアップダウンが連続する。体力を温存しながら走ろう。



1.2025年4月にリニューアル。晴れた日には富士山を一望/ 2.展望デッキからは眼下の芦ノ湖や箱根外輪山を見渡せる/ 3.巨大フォトフレーム「富士ノガク」
はこね こまがたけろーぷうぇー
箱根園と駒ケ岳山頂までを約7分で結ぶロープウェー。山頂の「箱根駒ヶ岳 芦ノソラ」には展望デッキや箱根元宮などがあり、散策が楽しい。晴れた日には富士山はもちろん駿河湾や南アルプス、相模湾などを一望できる。
元箱根港から車で8分
箱根町元箱根139
往復2200円
9時~16時50分(上り最終は16時30分)
無休(悪天候時等運休あり)
箱根園駐車場300台(1000円~)
【自転車データ】駐輪スペースなし



1.遠見番所から関所を見下ろす/ 2.京都側の門「京口御門」。奥に見えるのが大番所
はこねせきしょ・はこねせきしょしりょうかん
江戸時代の重要な遺跡を復元。大番所や牢獄などの建物が復元されており、内部には役人が詰める様子も再現。高台から人の出入りを監視した遠見番所は、芦ノ湖を見下ろす眺望スポットに。箱根関所資料館では、関所手形や関所破りの記録などの資料を展示しており、関所の歴史や役割を詳しく学べる。
元箱根港から徒歩15分
箱根町箱根1
500円(箱根関所資料館含む)
9~17時(12~2月は~16時30分。入館は閉館30分前まで)
無休
近隣の駐車場を利用
【自転車データ】駐輪スペースあり、バイクラックあり


ここから大観山展望台までは長い上り坂。十分に休んでから出発しよう。箱根新道やアネスト岩田ターンパイク箱根など、自動車専用道路もあるので間違えて入り込まないように注意しよう。展望台から湯河原までの長い下り坂は、スピードを落として慎重に。

つづら折りの上り坂が続く。時々風景が開ける場所もあるのでひと息つこう

急勾配の箇所もある。無理せず自転車を押して歩くのもあり


標高1011mの大観山展望台に到着。自転車と一緒に記念撮影
たいかんざんてんぼうだい
箱根町と湯河原町の境にある、標高1011mの展望台。芦ノ湖と富士山のパノラマを一望することができ、この地を愛した明治の日本画家、横山大観にちなんで命名されたという説もある。脇にあるアネスト岩田スカイラウンジにはフードコートやティーラウンジがあり、ひと休みできる。


1.湯河原十二庵の豆乳スープセット1300円/ 2.庭園を眺めながら食事ができるテラス席/ 3.足湯でサイクリングの疲れを癒やそう
みゅーじあむかふぇあんどがーでん
町立美術館内にあり地元の豆腐屋「十二庵」がプロデュースするカフェ。豆乳やおからなど、大豆をたっぷりと使ったヘルシーでボリューミーなメニューが揃う。看板メニューは湯河原十二庵の豆乳スープセット。パフェなどのスイーツメニューもある。足湯を備えたテラス席も。


湯河原海辺公園付近から海を眺める。この辺りで眺望スポットとして人気!?


1.岬の先端にある景勝地、三ツ石/ 2.館内では海産物などのおみやげを販売。焼あじみりん400円
けーぷまなづる
真鶴半島の先端にある憩いの施設。レストランや喫茶があるほか各種おみやげも販売。岬の先端から見える景勝地「三ツ石」は、海へと続く遊歩道から見ることができる。条件がよければ大島や三宅島など、伊豆七島のうち5つの島が見えることも。


真鶴半島にあるお林展望公園は南国ムード満点の展望スポット


1.テラスからの眺め。巨大なアジの干物オブジェは人気の撮影スポット/ 2.海の素材をプレスして作ったスナック「海のぺっちゃんズ」3個セット1350円/ 3.小田原漁港プリンの「激突!プリンソフト」630円
ぎょこうのえき ととこおだわら
小田原漁港や小田原魚市場から直送する鮮魚や地元農産物、海産物加工品、惣菜など1600種類の地場物産を販売する日本初の「漁港の駅」。海鮮食堂やカレー、オリジナル海鮮丼の専門店など、豊富な海の幸を堪能できる食事どころも揃う。「小田原漁港プリン」には映えるスイーツが大集合。
JR早川駅から徒歩8分
小田原市早川1-28
9~17時(店舗や曜日、季節により異なる)
無休
166台
【自転車データ】駐輪スペースあり、バイクラックあり、空気入れ貸し出しあり


逆走(右側走行)は大変危険で法律違反。「自転車を除く」表示がない場合には一方通行の進入禁止路も逆走になる。また、歩道走行時は歩行者を優先し、いつでも止まれる安全速度を保とう。とくに小中学校に面する道路(スクールゾーン)を走る際は、児童に配慮した安全走行を心がけよう。
「止まれ」表示のある場所では必ず道路に足を付けて一時停止を忘れずに。信号機が青になっても左右の安全確認をしてから発進を。
目立つ明るめの服装で走ろう。暗曇天でも前照灯(ライト:白色)、反射器材と合わせて尾灯(テールライト:赤色)の点灯をするとより安全。とくにトンネルや暗い道、夜間には必ず点灯(点滅は違反です)し、慎重に「ゆっくり走る」ことを心がけよう。
酒気帯び運転やブレーキ不良自転車運転、携帯電話使用運転、傘差し運転などはすべて危険運転になる。酒気帯び者への自転車の提供や運転する者へ酒類を提供した人も罰則の対象となるのでお酒を飲んだら自転車には乗らないよう徹底を。
事故や転倒時に備えて「頭部を守ること」がとても重要。できれば手袋着用がおすすめ。自転車用ヘルメットの安全性を示すマーク(SGマーク、JCF公認/推奨マーク、CEマークなど)の付いているものを選ぼう。
