
中世に帝国自由都市や小さな領国国家の集合体としてそれぞれ発展してきたドイツは、小さな街から大都市まで実に特色豊か。広域にまたがるみどころをしっかり整理してプランを立てよう。
古代から近代にかけてのドイツの歴史は非常に入り組んでいる。紀元前のゲルマン人社会、紀元前後の古代ローマ支配の時代を経て5世紀にはフランク王国が成立。中世封建制度へと移行した。10世紀には神聖ローマ帝国が成立するがゆるやかな連邦制であったため、各地に諸侯が乱立。国家として初めて統一されたのは1871年のドイツ帝国の誕生による。第二次世界大戦後、東西に分裂したドイツは1990年にようやく再統一を果たした。

政府観光局や自治体が設定した観光街道は全部で150以上あるという。ここでは代表的な4街道を主にご紹介。

ロマンチック街道最大のハイライト、美しき白亜の古城・ノイシュヴァンシュタイン城
メルヘンな旧市街と優美な城をたどる
Romantische Straße
ヴュルツブルクからフュッセンまで全長約350㎞の街道。中世の面影を残す街が多く、世界中の人が訪れる人気街道だ。おとぎの国の城のようなノイシュヴァンシュタイン城も必見。

街道の北の起点となるヴュルツブルクの街並み

かわいらしいローテンブルクの街

壮麗な大天井画が観光客を惹きつけるヴィース教会

ノイシュヴァンシュタイン城 ➡ホーエンシュヴァンガウ
レジデンツ ➡ヴュルツブルク
プレーンライン ➡ ローテンブルク
市庁舎 ➡ アウクスブルク
ヴィース教会 ➡ フュッセン郊外

丘の上に立つハイデルベルク城
ロマンあふれる古城が連なる
Burgen Straße
ロマンチック街道に次ぐ人気を誇る約1200㎞の街道。マンハイムから隣国チェコのプラハまでの街道沿いに大小70もの古城が残る。

ハイデルベルク城 ➡ハイデルベルク
カイザーブルク ➡ニュルンベルク
旧市庁舎 ➡ バンベルク

童話のモチーフにもなったブレーメン
グリム童話の舞台に迷い込む
Märchen Straße
『グリム童話集』で有名なグリム兄弟ゆかりの地や童話の舞台となった街を巡る。ハーナウからブレーメンまで約600㎞。

ゲーテが人生の多くを過ごしたワイマール
ゲーテが生きた時代を感じる
Goethe Straße
偉大な文豪・ゲーテの足跡をたどる。生誕地のフランクフルトや生涯を閉じたワイマールを含む約600㎞の街道。

中世から近代の歴史と、現代の発展が美しく調和。時代を超えて今なお残るドイツの麗しい街並みを旅する。

日本からの直行便がある観光拠点都市
経済の中心を担う都市
Frankfurt am Main
欧州銀行の本店をはじめ高層ビルが林立する一方で、中世の面影を残す旧市街が隣り合う。文豪ゲーテの生地でもある。

シュテーデル美術館
ゲーテハウス
レーマー&レーマー広場

歴史スポットが集まるマリエン広場周辺
南ドイツ最大の都市
München
バイエルン王家の首都として発展。当時の栄華の痕跡が中心地に残る。オクトーバーフェストが開催されるビールの街としても有名。

レジデンツ
ニンフェンブルク城
アルテ・ピナコテーク

多くが戦争で破壊されたが見事に再建された
王国の栄華が彩る東の古都
Dresden
ザクセン州の州都。華やかなバロック建築群が立ち並ぶ旧市街の美しさはエルベ川のフィレンツェと称されたほど。

東西ドイツ分断の歴史を象徴するブランデンブルク門
激動の歴史を経た首都
Berlin
国内最大の都市で、東西冷戦の歴史を乗り越えた首都。現在は政治の中心都市に。世界遺産の博物館島に集まる貴重なアートコレクションは必見。

ブランデンブルク門
イーストサイド・ギャラリー
ペルガモン博物館

交易を支えた全長1233㎞の父なる大河。当時、関所などの役割を担った古城が河畔に点在する。中流域は世界遺産に登録された。

マインツ~ケルンの約185㎞はクルーズ船が運航する

つぐみ横丁
ケルン大聖堂