「大曲の花火」で親しまれる全国花火競技大会は1910年(明治43)から続く歴史ある花火大会。昼花火の部と夜花火の部があり、全国から集まった花火師たちが腕を競い合う。みどころからチケット情報まで、全国屈指の花火大会の楽しみ方をご紹介。
昼花火では、鮮やかな色煙で美しさを競う 画像提供:秋田県大仙市
「大曲の花火」として広く親しまれているのは、8月に開催される「全国花火競技大会」のこと。全国でも珍しい「昼花火の部」と「夜花火の部」があり、最も優秀と認められる花火を造った花火師には内閣総理大臣賞が贈られる。また、4月には「春の章」として「新作花火コレクション」と「世界の花火 日本の花火」が、10月には「秋の章」として「花火芸術祭」が開催される。
2024年8月に開催された第96回全国花火競技大会の10号割物30連発 画像提供:秋田県大仙市
夏の「全国花火競技大会」は8月最終土曜日に開催される(2025年は8月30日)。夕方に昼花火の部が始まり、日没後に夜花火の部が始まる。「秋の章」は10月上旬(2025年は10月4日)、「春の章」は4月下旬の土曜に開催される。
花火が打ち上がるのは大仙市大曲の市街を流れる雄物川の左岸(西側)。その対岸にある「大曲の花火」公園に有料観覧席が設けられる。特に夏の競技大会には例年多くの人が訪れるため、周辺道路は当日15時ごろから翌3時ごろまで大きな渋滞が発生する。車で訪れる際には注意が必要だ。JR大曲駅から大会会場までは徒歩30分ほど。
夏の全国花火競技大会には全国から集まった28社の花火業者が腕を競う。 「秋の章」の「花火芸術祭」では、花火師たちによる芸術的な作品を鑑賞できる。「春の章」では、若手花火作家が腕を競う「新作花火コレクション」や世界の国際色豊かな花火が打ち上がる「世界の花火 日本の花火」を楽しめる。
『昇曲付四重芯変化菊・錦先五度変化』。打ち上げ方法や花火の装飾がわかると、花火がより深く楽しめる。 画像提供:秋田県大仙市
各花火大会では、雄物川河畔の「大曲の花火」公園に有料観覧席が設置される。インターネット販売やコンビニ販売、大曲商工会議所直接販売などがあり、購入方法や販売開始時期などの詳細は各花火大会の公式サイトで発表される。
昼花火なら周辺の景色と花火をセットで楽しめる 画像提供:秋田県大仙市(写真上)/夜花火の10号玉・自由玉の部。写真は『里山の忘れ柿』 画像提供:秋田県大仙市(写真左下)/花火師の感性が表現される創作花火。写真は『アジサイ咲く旅路』 画像提供:秋田県大仙市(写真右下)
8月30日開催 日本最高峰の花火大会
だいきゅうじゅうななかい ぜんこくはなびきょうぎたいかい おおまがりのはなび
毎年8月最終土曜日に開催される日本屈指の花火競技大会。昼花火と夜花火の部があり、全国から集まった28社の花火師たちが腕を競う。製作者が自分で打ち上げるのが特徴で、「昼花火の部」では各社が5号玉を5発ずつ打ち上げ、光の代わりに色煙の鮮やかさを競う。「夜花火の部」では伝統的な「10号玉・芯入割物」と「10号玉・自由玉」(2発)、2分30秒の間で独自性を追求する「創造花火」を打ち上げる。総合的に最もすぐれた花火師に送られる内閣総理大臣賞は、花火師たちにとって最高の名誉とされる。夕方から夜まで、4時間ほども花火を楽しめるのも魅力。
【開催日時】2025年8月30日(土) 昼花火の部17時10分~18時、夜花火の部18時50分~21時30分
【会場】秋田県大仙市大曲雄物川河畔「大曲の花火」公園
【雨天時】雨天決行、荒天の場合は延期(詳細は公式サイトを確認)
【無料席】なし
【有料席】テーブル席3万4000円~、イス席7000円~など(詳細は公式サイトを確認)
【打ち上げ数】約1万8000発
【交通規制】あり
【問合せ先】0187-88-8073 大曲商工会議所
秋の章の芸術的な花火 画像提供:秋田県大仙市
10月4日開催 芸術的な花火を堪能
おおまがりのはなび あきのしょう はなびげいじゅつさい
毎年10月上旬に開催される花火大会。夏の競技大会よりもゆったりと鑑賞できるのが魅力。90分ほどの間に、8000発の芸術的な花火を楽しめる。
【開催日時】2025年10月4日(土)18時~19時30分
【会場】秋田県大仙市大曲雄物川河畔「大曲の花火」公園
【雨天時】雨天決行、荒天の場合は延期(詳細は公式サイトを確認)
【無料席】なし
【有料席】テーブル席2万8000円~、イス席7000円~など(詳細は公式サイトを確認)
【打ち上げ数】8000発
【交通規制】あり
【問合せ先】0187-88-8073 大曲商工会議所
春の章、第3回フィナーレから 画像提供:秋田県大仙市
4月下旬開催 色鮮やかな春花火
おおまがりのはなび はるのしょう しんさくはなびこれくしょん/せかいのはなび にほんのはなび
毎年4月下旬に開催される花火大会。全国の若手花火師が最新作を披露する「新作花火コレクション」と、国際色豊かな花火ショーがみどころの「世界の花火 日本の花火」が開催される。
【開催日時】4月下旬の土曜
【会場】秋田県大仙市大曲雄物川河畔「大曲の花火」公園
【雨天時】雨天決行、荒天の場合は延期(詳細は公式サイトを確認)
【無料席】なし
【有料席】詳細は公式サイトを確認
【打ち上げ数】8000発
【交通規制】あり
【問合せ先】0187-88-8073 大曲商工会議所
花火を確実に楽しむためには宿や有料席の確保が大切。旅行会社が催行するツアーに参加するのもおすすめ。
日本屈指の人気花火大会だけに、会場である大曲周辺の宿の確保はかなり困難。宿泊施設ごとに販売開始時期やプラン詳細が異なるので、宿泊施設の公式サイトをこまめにチェックしておこう。宿によっては大会関係者のみ受け入れる場合があるので注意が必要。大曲周辺で確保できない場合は、周辺の都市で探してみるといい。大曲駅から電車で20分以内の角館駅、横手駅、湯沢駅周辺の宿もチェックしてみよう。
観覧チケットは6月中旬ごろから始まる。インターネット受付による先着順販売(一次販売、二次販売)のほか、大曲商工会議所直接販売などがあり、席によっては販売開始直後に売り切れることもある。詳細は公式サイトで発表されるので、こまめにチェックしておきたい。
JR大曲駅から花火会場までは徒歩30分ほど。周辺道路は渋滞が激しいので鉄道を利用するのが確実だ。当日は臨時列車なども運行されるので、時刻表をチェックしておきたい。また、新幹線などを利用する場合は早めに予約しておこう。自動車の場合は、渋滞を考慮して早めの行動を心がけよう。周辺の駐車場も事前に予約しておきたい。駐車場の詳細も公式サイトで確認できる。