カフェ文化が根付くフランス・パリの街なかには、19世紀末から続く有名店も少なくない。名だたる文化人も愛した由緒あるカフェで、パリジェンヌ気分に浸ってみよう。
パリのカフェには朝食セット「プティ・デジュネ」がある。ドリンク1杯とオレンジジュース、クロワッサン、バゲットのセットが基本。
A 各テーブルに担当スタッフがいるので、その人にオーダーをしよう。支払いはテーブルで。チップは義務ではないが、気持ちで渡したい。食事なら1人€1〜2程度。
A テーブルのほかにカウンター、屋外のテラス席がある。通常、カウンターはドリンク代が安い。テラス席は店によって料金設定が高くなる場合もある。
A プロのサービススタッフのこと。1人で12〜15テーブルを担当する。ギャルソンの終業時間が迫ると会計に来るが、支払い後も残っていてOK。
日光浴に最適なテラスはパリっ子の特等席
厚切りフランス産牛フィレ肉のステーキ、コショウまたはべアルネーズソース€42
アメデオ・モディリアーニの作品をはじめ多数の絵画が飾られている。かつては料金を払えない画家たちの絵が壁中に貼られていたそう。
モンパルナス
La Rotonde
1903年創業、モンパルナスの老舗カフェを代表する存在。1910年頃にパブロ・ピカソをはじめとする画家たちがモンマルトルから左岸のモンパルナスへ拠点を移し、隆盛を極めた。モディリアーニの作品がいくつも飾られている。
メトロ④Vavin 駅から徒歩1分
105 Bd. du Montparnasse 6e
7時30分〜24時
なし
英語スタッフ常駐/英語メニューあり
賑やかなテラス席左奥のテーブルは常連客たちの特等席
定番の朝食はゆで卵とパンOeufs Coque€13.50。オレンジジュースは€9.50。
カフェ休憩なら自家製タルト€12がおすすめ。
哲学者ジャン=ポール・サルトルとシモーヌ・ド・ボーヴォワールが2階席で著作を執筆。故カール・ラガーフェルド、カトリーヌ・ドヌーヴなども常連だ。
サン・ジェルマン・デ・プレ
Café de Flore
1887年創業。20世紀初めから詩人のアポリネールを皮切りに数々の文学者が集い、2階席は文学者達の書斎兼サロンとして知られる。現在はモード関係者や映画人らも通う。下の写真は歴史的な文学サロンとなっていた2階席。
メトロ④St-Germain-des-Prés駅から徒歩1分
172 Bd. St-Germain 6e
7時30分〜翌1時30分
なし
英語スタッフ常駐/英語メニューあり
朝食やカフェ利用は入口左側、食事は店内奥へ進もう
ディナーの白身魚のポワレ€38〜(季節によってメニューは異なる)
プティ・デジュネ€14.50は、2種のパンとオレンジジュースがセット
彫刻家のアルベルト・ジャコメッティは毎日この店から通りを眺め、名作『歩く男』の着想を得たという。アールデコの壮麗な内装は一見の価値あり。
モンパルナス
Le Dôme
シャガールらパリ派画家のたまり場カフェとなり、ヘンリー・ミラー、ヘミングウェイなどアメリカ文学者も通ったとか。2018年より三浦賢彦氏が総料理長を務め、魚介料理も評判。
メトロ④Vavin 駅から徒歩1分
108 Bd. du Montparnasse 14e
朝食8~11時、ランチ12時~14時45分、ディナー19時~22時30分
なし
英語スタッフ常駐/英語メニューあり
深緑に金のロゴをあしらったテラスのシェードが目印
焼き立てデニッシュと一緒にカフェ・クレーム€7.50を
有機卵を使った季節のオムレツ(ランチタイム)€23。朝食用のオムレツは€14
実存主義やジャズブームの拠点となるなど、20世紀の重要な文化運動の舞台として賑わった。店内にはヘミングウェイゆかりの席が残っている。
サン・ジェルマン・デ・プレ
Les Deux Magots
サン・ジェルマン・デ・プレ教会の向かいに面した広いテラスが目印。19世紀末から20世紀にかけて文学者が集い、シュールレアリスムや実存主義などの文学運動が華開いた。
道を挟んでルイ・ヴィトン本店が見える
創業当時から続くレシピで作るミルフィーユ€18はカフェ・クレーム€13と一緒に
入口にはリュック・ベッソン監督ほか、訪れた映画スターなどのネームプレートが!サルコジ元大統領が当選後、祝賀会を開いたのもココ。
シャンゼリゼ
Fouquet’s
1889年創業、歴史的建造物に指定されている。1930年代からゴダールなどヌーヴェルバーグの巨匠たちに愛され、フランスのオスカーであるセザール賞のパーティも開催。赤を貴重としたテラス席がフォトジェニック。
オペラ・ガルニエ横という好立地で、各界の有名人も御用達
メニューの一例、ブリオッシュ・ベルデュ、フルーツ添え€20
歴史的文化財である天井の壮麗なフラスコ画。エミール・ゾラやオスカー・ワイルド、ピエール・カルダン、パコ・ラバンヌたちも常連だった。
オペラ〜ルーヴル
Café de la Paix
1862年にホテルのレストランとして開店。創業の第二帝政時代からそのまま残る装飾は、歴史的文化財にも指定されている。メニューは定期的に入れ替わる。歴史的文化財である天井のフレスコ画に注目。
メトロ③⑦⑧Opéra駅から徒歩1分
5 Pl. de l’Opéra 9e
朝食8~11時、ランチ12~15時、ディナー18~23時
なし
英語スタッフ常駐/英語メニューあり