古代より国の守護神として信仰され、現在も多くの人々がご利益を求めて訪れる。時代を超えて崇拝される、勝利の武神の神気が息づく地へ足を運ぼう。
かしまじんぐう
神武天皇元年(紀元前660年)創祀と伝わる古社。武神・武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)を祀り、いにしえより東国の人々の信仰を集めた。古代から伊勢神宮のほかに「神宮」とよばれたのは鹿島神宮と香取神宮だけで、格式の高さを誇る。近年パワースポットとしても注目されている。
以前は御影石の鳥居だったが、平成23年(2011)の東日本大震災により倒壊。平成26年(2014)6月、氏子崇敬者の願いと協力により、境内に自生する杉の巨木を用いて同寸法の鳥居が再建された。
樹齢500〜600年の杉の木を4本使用
寛永11年(1634)に水戸藩初代藩主・徳川頼房(とくがわよりふさ)が奉納した楼門は、熊本の阿蘇神社、福岡の筥崎宮と並ぶ日本三大楼門の一つ。緑の中に鮮やかな朱色の門が映える。
本殿・幣殿(へいでん)・拝殿・石の間からなる社殿は元和5年(1619)、2代将軍徳・川秀忠(とくがわひでただ)より奉納されたもの。国の重要文化財指定を受けている。本殿には御祭神の武甕槌大神が祀られている。
檜皮葺きの重厚な屋根をもつ拝殿
拝殿の奥に立つ本殿は極彩色
本宮から300mほど続く奥参道。「奥馬場」ともよばれ、毎年5月に流鏑馬(やぶさめ)神事が行われる。杉やシイなどの古木が参道脇に並び、壮厳な雰囲気を漂わせる。
県内随一の常緑照葉樹林が広がる、県の天然記念物
慶長10年(1605)に徳川家康が本殿として奉納したもので、国の重要文化財に指定されている。元和5年(1619)の現・本殿造営時に旧本殿社殿を奥宮社殿とし、移築造営した。
神気漂う森に鎮座する安土桃山時代建造の社
地震を起こす大ナマズの頭を押さえていると伝わる霊石。水戸藩主・徳川光圀(とくがわみつくに)が七日七晩掘らせても、全貌を明らかにできなかったという話は、鹿島七不思議に数えられている。
古木に囲まれ周囲には清涼な空気が漂っている
地面に突き出した要石の一部が見られる
霊水をたたえるみそぎの場として知られ、人々はここで身を清めてから参拝したという。大人が入っても子どもが入っても、水面が胸の高さにくるという不思議な池。
夏でも周囲には涼しい空気が漂い水はひんやりする
併設の茶屋「一休」で名水ホットコーヒー350円を
かなめいしまもり
1000円
要石がモチーフ。災難除けなどにご利益がある
ぶどうまもり
1000円
武道の上達にご利益があるという、武神を祀る神社ならではのお守り
かしまだちまもり
1000円
開運出世や物事の始まりに縁起がよいとされ、男性に人気
ごしゅいんちょう (御朱印料含む)
2000円
楼門を刺繍し、裏は巴紋。このほか全国の一之宮御朱印帳もある
湖上に立つ鳥居としては日本最大級
にしのいちのとりい
鹿島神宮本殿の西方約2㎞、車で5分ほどのところにある北浦に立つ、湖底からの高さ18mの西の一之鳥居は、水上鳥居としては日本最大級の大きさ。かつて水路での参拝が多かった時代に存在していた鳥居を再現。