藩主・吉川家の城下町には、錦川が静かに流れ、街の象徴である錦帯橋が架かる優美な景観が広がる。多彩な表情を見せる錦帯橋を、さまざまな角度から眺めたい。
参勤交代を模した大名行列などがみどころの「錦帯橋まつり」
錦川沿いには桜が咲き、華やかな景観に。桜のトンネルもある
岩国で紅葉が始まるのは11月中旬ごろ。鮮やかな景色を楽しみたい
錦帯橋に雪が積もる冬は、あたり一面も白く染まり幻想的な景色に
街の歴史を刻む5連の木造橋
きんたいきょう
全長193.3m、横幅5mにもなる巨大な木組みの橋。延宝元年(1673)に吉川広嘉が、流されない橋を目指して建造。昭和25年(1950)、台風により流失したが、市民の熱意ですぐに再建へと動きだし、美しい橋が蘇った。
時代を超えて街を見守り続ける錦帯橋。独特な構造や職人の技法を詳しく解説。
創建以来、さまざまな改良が加えられてきた錦帯橋。頑丈な木組の技法により、強度試験では60tの荷重をかけても保っていた。
平成13年(2001)から平成16年(2004)の架け替えで使用した釘やかすがいは2万9千本弱で、ほかにも巻金などの金物が橋に多用されている。
橋を支える重厚な橋脚は、昭和25年(1950)の台風による流失後に改良を行い、深さ10mの基礎を土台とし、橋脚は鉄筋コンクリート、壁面は石張りとなっている。
周囲の自然に映える独創的なアーチ構造は、組み上げた桁(けた)に楔(くさび)と梁(はり)を組み入れ、美しいアーチ構造を形成している。
錦帯橋では時期によりライトアップを実施。夜の暗がりに浮かび上がる幻想的な表情も要チェック。
(岩国市観光振興課)
3月下旬〜6月1日、8月9日~2025年1月13日の日没~22時(予定)
伝統的な衣装に身を包んだ鵜匠と小舟のかがり火が幻想的
屋形船に乗って観賞を
鵜飼は鵜を使い鮎をとる昔ながらの漁法。錦帯橋のう飼は、およそ400年前に起源をもつとされる由緒あるもの。夏になると当時をできるだけ再現した漁が行われ、屋形船から鵜匠が巧みに鵜を操る様子を見学することができる。開催場所は錦帯橋のたもと。
岩国藩主の華やかな時代を見る
きっこうこうえん
旧岩国藩主・吉川家の居館跡を広く開放した公園。園内には岩国城をはじめ、錦雲閣、吉香神社など、往時を思わせる建造物や、古木、大木が多く残されている。季節を感じる桜やイチョウも見られる。
錦雲閣は吉香神社内にある絵馬堂。秋には風流なたたずまいと紅葉が見事
毛利家の一族で初代岩国領主。関ヶ原の戦い後、減封となった毛利家に伴い岩国へ。街の発展に尽力する。
岩国にまつわる資料を展示
いわくにちょうこかん
岩国の歴史や錦帯橋に関する資料を展示。レンガ造りの重厚な外観は昭和20年(1945)竣工。
江戸中期の中流武家屋敷
きゅうめかたけじゅうたく
両袖瓦という特殊な形の瓦と、屋根瓦の葺き方にも注目したい。国指定の重要文化財。平屋に見えるが、中は2階建て。
目の前で泳ぐ「鵜」を観察
きっこううのさと
「錦帯橋のう飼」で活躍する「鵜」を目の前に見ることができる飼育施設。エサやりの様子を見られるほか、鵜飼の歴史も学べる。岩国シロヘビの館に隣接の古風な建物。伝統漁法の鵜飼で活躍する。
錦帯橋×岩国城下の街並みを天守閣から望む
いわくにじょう
慶長13年(1608)に岩国藩主・吉川広家が築城。白壁の美しい造りで、最上階からは瀬戸内海まで一望できる。岩国城展望台はビュースポット。錦帯橋や瀬戸内海の眺望もばっちり!
岩国市横山3
(錦川鉄道(株)岩国管理所)
バス停錦帯橋から徒歩15分の山麓駅から岩国城ロープウェーで3分、山頂駅下車、徒歩10分
入館270円
9時~16時45分(入館は〜16時30分)
ロープウェー点検日
錦帯橋下河原駐車場利用300台(多客期は300円)
現在の天守は昭和37年(1962)に再建されたもの。4層6階の風格ある造り
標高200mの位置にある岩国城への移動は、ロープウェーを利用。山麓からは約3分、15分間隔で運行しており、ゴンドラからのパノラマビューもすてき!