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心に響く展示をじっくり見学 広島平和記念資料館

一発の原子爆弾で無差別に無数の命が奪われた事実と、核兵器の非人道性を訴える。本館の「被爆の実相」が展示の中心で、被爆直後の様子や被爆者の命の重みを、遺品や写真、言葉などの実物資料でストレートに伝える。外国人被爆者の展示も新たに加わっている。

広島平和記念資料館

ひろしまへいわきねんしりょうかん

被爆の惨状や被爆者の遺品などを展示し、その凄惨さを後世に伝える資料館。当時の広島の人々の生活もうかがい知ることができる。

広島市中区中島町1-2

広島電鉄原爆ドーム前電停から徒歩10分

入館200円

7時30分~19時(8月は~20時、8月5・6日は~21時、12~2月は~18時) ※入館は閉館の30分前まで ※時間によっては完全予約制

12月30・31日、展示入替期間(2024年2月13~15日)

近隣の有料駐車場を利用

館長 滝川卓男氏より

本館では、あの日、広島で何が起こったのか、その後、広島の人々がど のような悲しみや苦しみを背負って生きたのかを、被爆者の遺品、被爆の惨状を示す写真や資料、「市民が描いた原爆の絵」などで伝えます。人の命の重さを、これまでより深く感じることができる展示となっ ています。ぜひご覧いただきたいと思います。

被爆前の広島の大型写真を展示。隙間なく立ち並ぶ家、路面電車、賑わう商店街、子どもたちの笑顔など、昭和10年(1935)ごろの活気ある暮らしぶりが伝わってくる。

建物を壊す作業をしていた何千人もの生徒が、苦しみながら亡くなった事実を、血で染まり、切れ切れになった服が訴える。被爆建物の一部や、遺体などの写真も展示し、被爆直後の街を再現する。

「魂の叫び」と称し、被爆者の遺品を遺影や被爆状況、残した言葉、家族の苦しみとともに紹介。家族に愛されていたであろう幼児や小・中学生が多く、命の重みに焦点を当てている。

三輪車・鉄かぶと

銕谷伸一ちゃん(当時3歳11カ月)は、この三輪車で遊んでいるときに被爆しました。全身に大けがや大火傷を負った伸一ちゃんは「水、水……」とうめきながらその晩亡くなりました。父親は、伸一ちゃんにこの鉄かぶとをかぶせ、死んでからも遊べるようにと三輪車とともに庭に埋めました。父親は被爆から40年後に遺骨を墓所に移すことにしました。これらを掘り起こした時、鉄かぶとの中には伸一ちゃんの丸い頭の骨が残っていました。父親は伸一ちゃんのほか、倒れた家の下敷きとなった長女の路子さん(当時7歳)と次女の洋子ちゃん(当時1歳)も亡くしました。

弁当箱・水筒

県立広島第二中学校1年生の折免滋さん(当時13歳)は、建物疎開の作業現場で被爆し、亡くなりました。この弁当箱と水筒は、骨となった滋さんの遺体を母親が見つけ出したとき、遺体の下にあったものです。お弁当の中身は、米・麦・大豆の混合ごはんと千切りにしたジャガイモの油炒め。滋さんはお弁当を楽しみに出かけましたが、それを食べることはできませんでした。

『絵筆に込めて』

市民が描いた原爆の絵を約5000点収蔵し、半年ごとに入れ替えながら展示。脳裏から離れない惨状に向き合い描かれた絵が、あの日々の叫びを伝える。

『故郷を離れた地で』

朝鮮半島から来た人々のほか、台湾、中国、ロシア、ドイツ、アメリカ軍兵士など、日本人以外の人々も原爆の犠牲に。写真や絵でその事実を伝える。

八月六日午前十時頃 廣島駅宇品線客車 下

朝鮮婦人のいたましい姿が

今もありありと眼に浮ぶ

作:荒木 明氏 所蔵:広島平和記念資料館

館内には、講演や映像で被爆者の体験を知るコーナーがある。一人の人の体験を肉声で聞けば、より身近なこととして捉えられる。

東館地下1階

被爆体験伝承講話

ひばくたいけんでんしょうこうわ

伝承者が原爆被害の実相や被爆者から受け継いだ被爆体験を伝える。地図や写真、被爆者の描いた絵などを使って解説する。※被爆者による被爆体験講話ではありません。

所要:約1時間

予約:不要

無料

10時~、11時30分~、14時30分~(英語は13時~)

今回お話をされた方

大河原こころさん

現在約160人いる被爆体験伝承者の一人。3年の研修を経たのち、2020年に被爆体験伝承者に認定。笠岡貞江さんの被爆体験を語り継ぐ。

※一部を抜粋して掲載しています。

12歳だった笠岡さんは爆心地から3・5㎞の、江波の自宅で被爆しました。洗濯物を干して家に入った時です。部屋の窓ガラスがピカッと光りました。それは初日の出の太陽にオレンジ色を混ぜたような、とても綺麗な色だったそうです。ドウーという音と共に、砕けたガラスの破片がぶつかってきました。

〜略〜

街に出ていたお父さんが、夕方、荷車に乗せられ帰ってきました。全身真っ黒の大火傷です。お父さんのために、畑にトマトを採りに行った時、初めて大勢の被爆者を見ました。髪の毛はぼうぼう、身体はグレーか白、手は胸のところに挙げ、腕にはちぎれた皮膚がぶら下がっていました。

お父さんは二日後に亡くなりました。一緒に出掛けていたお母さんも、救護所で亡くなっていたことが後日分かりました。原爆で両親を失った笠岡さんは「戦争するから原爆を落とされる。原爆を落とされたら、みんなが不幸になる。だから、平和でなければいけないね」と語ります。

東館1階

映像作品『ヒロシマ 被爆者からの伝言』

えいぞうさくひん ひろしま ひばくしゃからのでんごん

平和記念公園の地にあった吉川旅館にルーツをもつ、ミュージシャン・吉川晃司氏がナレーションを担当する。ビデオシアターで上映。

所要:約22分(1日16~21回上映)

予約:不要

無料

東館3階

被爆者証言ビデオコーナー

被爆者が実体験を語ったビデオ映像が見られる。大人数で聴く場と、証言者を選ぶ個室からなる。

所要:10~30分

予約:不要

無料(広島平和記念資料館の入館料が必要)

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