
優しくも切なく、見る人の心を揺さぶるアニメ『夏目友人帳』。妖が見える少年・夏目貴志と大妖・斑との出会いから始まる数奇な物語は、初回放送から17年経った今も多くの人々に愛されている。まずは、その不思議な世界の入り口を覗いてみよう。

幼少期から妖怪(妖(あやかし))といわれるものの類が見えることで孤独を抱えていた夏目貴志。遠縁の親戚の家に引っ越した夏目はある日、妖に襲われて逃げ込んだ神社の祠で大妖(おおあやかし)の斑(まだら)と出会う。頻繁に襲われるようになっていた理由が、かつてこの地で暮らした祖母・レイコの形見である友人帳にあると知った夏目は、自分が死んだら友人帳を譲り渡すことを条件に斑に用心棒を依頼し、友人帳に書かれた名を妖たちに返していくことを決める。

夏目が結界を破ってしまったことで封印から解き放たれた斑。愛くるしい猫の見た目は依代(よりしろ)で、仮の姿。夏目に「ニャンコ先生」とよばれることに

夏目の祖母・レイコの形見である友人帳は、強い妖力をもったレイコが戦って負かした妖の名を子分の証として書かせて綴ったものだった。名を連ねた妖は、所有者の命令には逆らえず使役されるため、あるものは名を取り返しに、あるものは友人帳を奪いに、夏目の元へと現れる騒がしい日々が始まる。

レイコの形見の箱から見つけた友人帳。人には読めないが、友人帳に書かれている妖の姿や名前を念じると、その頁でぴたりと止まる不思議な帳簿だ

熊本県人吉・球磨エリアは、レイコが暮らし、夏目が移り住んだ地のモデルとなった場所の一つだ。豊かな自然の中で紡がれる人間と妖の友情、恋、葛藤などの入り混じった交流の物語は、どこか懐かしい記憶とともに、人々の心を惹きつける。近年は、アニメがきっかけでモデル地を巡るファンも増えている。

背景に描かれた山々、川の流れ、田園風景が、四季折々の趣を添え、物語を鮮やかに彩る。熊本は原作者・緑川ゆき氏の生まれ故郷でもある

強い妖力をもつ夏目貴志の祖母。友人帳の持ち主。

小さな頃から妖が見える。友人帳の名を妖に返す日々を送る。
人間には姿が見えない超自然的存在「妖怪」を指す言葉。斑のように妖力の強い大妖をはじめ、人間に好意的な者、避けながら生きる者、恨みをもつ者など、さまざまな個性をもつ妖が登場する。姿も、異形な者から人の姿をした妖までさまざま。

神社の祠に封印されていた大妖。普段は招き猫の姿で藤原家に居候している。
夏目を慕い、「呼(よ)び出(だ)しあらば犬のごとく馳(は)せ参(さん)じよう」と発足。







身寄りのない夏目を引き取り一緒に暮らしている。


妖など超自然的な存在と対峙し、封印や退治を行う家業のこと。人間と妖の間に立つ存在で、表の世界では人々に知られることなく、秘密裏に任務を遂行する。妖と契約し、式(しき)として使役するなど、妖に対する考え方や信念はさまざま。夏目にも影響を与える。

若き祓い屋・的場一門の頭首。

裏で祓い屋を生業としている人気俳優。

夏目が初めて秘密を打ち明けた存在。妖の気配を感じることができる。

祖父の影響で陣やまじないの知識が豊かで、妖の存在を知っている。
夏目の妖力については知らず、普通の友達として気さくに接してくれる存在。



