世界最大級の金銅仏として知られる大仏を祀る東大寺。大仏殿以外のみどころも充実しているので、見学には余裕をもって訪れたい。
とうだいじ
奈良のシンボルである大仏さま(盧舎那仏坐像)を本尊とする華厳宗大本山。寺の始まりは、聖武天皇が早世した皇太子のために建てた金鍾山寺(きんしょうさんじ) 。のちに天皇は大仏造立を決意。天平勝宝4年(752)に大仏が開眼し、奈良時代末までに大仏殿を中心とする空前絶後の大伽藍が築かれた。その後、平安末期と戦国時代の2度の戦乱に巻き込まれたが、ともに復興を遂げ、現在に至っている。広い境内には、大仏殿以外にも多くのみどころがある。
奈良市雑司町406-1
近鉄奈良駅から徒歩20分。または近鉄奈良駅から奈良交通バス市内循環などで4分、東大寺大仏殿・春日大社前下車、徒歩5分
境内自由(大仏殿・法華堂・戒壇堂は各800円)
大仏殿は7時30分~17時30分(11~3月は8~17 時)。法華堂・戒壇堂は8時30分~16時 【所要時間】約2時間
無休
周辺有料駐車場利用
大仏を安置する東大寺の金堂(本堂)で、世界最大級の木造古建築。創建以来2度焼けており、現在の建物は江戸時代中期に再建された3代目。このとき、正面幅が創建時の3分の2に縮小されたが、それでも幅約57m、奥行き約50m、高さ約48mもある。
高さ約15mの世界最大級の銅造の仏像。奈良時代の造立時には、当時の国民の約半数の約260万人(延べ人数)が携わり、約500t もの銅が使われたという。盧舎那仏は宇宙そのものという仏で、世界に慈悲の光を照らし、人々を悟りに導くとされる。
大仏殿内東北の柱の1本には、大仏さまの鼻の穴と同じという、高さ約30㎝、幅約37㎝の謎の穴が開いていて、くぐり抜けられれば厄除けになるという。参拝記念にいかが?
とうだいじみゅーじあむ
東大寺の膨大な寺宝を収蔵・展示。平安時代前期の千手観音立像(重要文化財)、かつては法華堂に祀られていた天平彫刻の傑作の日光・月光菩薩立像(国宝)など、数々の貴重な仏像を安置している。エントランスでは東大寺や大仏殿建立の歴史をまとめた映像を見ることができる。
800円(大仏殿との共通割引券は1200円)
9時30分~17時30分(11~3月は~17時)※最終入館は各30分前
無休(展示替えなどによる臨時休館あり)
東大寺の正門。大仏殿を擁する寺だけに、門といっても高さ約25.5mもある。現在の建物は鎌倉時代の再建。門の左右には、運慶が快慶ら一門を率い、わずか69日間で完成させたという高さ約8mの国宝・金剛力士立像が立つ。
東大寺を守るべく文字通り「仁王立ち」する巨像。筋肉隆々、憤怒の表情にも圧倒される。口を開けている像を阿形(あぎょう)、閉じている像を吽形(うんぎょう)という。