鎌倉時代に開創された永平寺。当時から絶えることなく、多くの修行僧が厳しい修行に励んでいる。凛とした空気が漂う境内を歩きながら、禅の心に触れよう。
鎌倉時代から続く禅の最高峰
だいほんざんえいへいじ
寛元2年(1244)、道元禅師が開いた坐禅道場。約10万坪の境内には大小約70もの伽藍が立ち並び、規模においても威厳を放っている。大坂の陣ののち、天下を治めた徳川家康が永平寺法度を発布。「日本曹洞宗の末派は永平寺の家訓を守るべし」という内容で改めて大本山として世間に認知された。毎年の上山者は50~60名ほどで、約100名の修行僧が厳格な修行に励む。「七堂伽藍」で修行僧=雲水(うんすい)の生活を垣間見ることができる。
京福バス永平寺前から徒歩10分
永平寺町志比5-15
拝観700円
8時~16時30分(季節・情勢により変動あり)
無休
車で訪れる際は、半杓橋近くの永平寺駐車場のほか、町営駐車場や民間駐車場を利用。永平寺駐車場 1時間300円(山門まで徒歩8分)、町営駐車場(第1~3)1回400円(山門まで徒歩5~15分)※第2・3は土・日曜、祝日のみ開場
雰囲気のある人気の撮影スポット。段上の門の扉には皇室の菊花紋が見られる
樹齢約500年の老杉に囲まれた門
からもん
新しい住職を迎え入れるための唐門。現在は天保10年(1839)に再建されたものが見られる。通行禁止のため、見学は石段の下から。
参拝者を出迎える荘厳な雰囲気の門
一般の参拝者を迎える門
つうようもん
一般の参拝者が出入りする門。ここでチケットを買って入ろう。
永平寺についてお勉強
きちじょうかく
拝観の受付所、売店がある建物。大広間で永平寺の概要説明の動画を見てから先の伽藍へ向かおう。
壮観な花鳥の天井画
230枚の美しい花鳥画
さんしょうかく
法要申込者用の控え室がある建物。拝観ルートになっている2階には156畳敷きの「絵天井の広間」があり、昭和5年(1930)に144名の日本画家によって描かれた、230枚もの天井画が広がる。現在の建物は、平成7年(1995)に再建されたもの。
花鳥風月以外の動物の絵、唐獅子(青色で口を開けている)、唐獅子(白色で口を閉じている)、リス、一対の鯉(2匹の白い鯉)、天まで昇る鯉(黒い鯉)の5つの絵を見つけると、願いが叶うとか?
永平寺のなかで最も標高の高い法堂からは仏殿や山門を見渡す景色を楽しめる
雲水さんの日常をのぞいてみよう
しちどうがらん
修行のほとんどが行われる7つの伽藍を指す。朝4時から始まる坐禅や、読経、掃除、食事など雲水の生活を想像しながら歩いてみよう。すべてが階段、回廊でつながっている。
永平寺の主要な建物であり、雲水が修行を行う神聖の場。マナーを守りながらじっくり巡ってみよう。
入山者が最初に訪れる門
さんもん
修行僧が最初に訪れる門で、次にくぐるのは修行を終えた出門時のみ。参拝者もここから外に出るのはNG。住職のみが自由に行き来できる。永平寺に現存する大伽藍としては最古のもので、曹洞宗第一道場を証明した額が掲げられている。
調理も修行。寺の食事を司る
だいくいん
10人ほどの係の雲水が、毎日の食事を1日3食作る。写真は、入口正面に祀られている韋駄尊天(いだそんてん)。見学はここまで。
朝の読経をはじめ各法要を行う
はっとう
永平寺の住職禅師説法のお堂。美しく輝く八葉蓮華の天蓋が目を引く、境内で最も荘厳な場所。永平寺を見渡す景色も堪能できる。
昼、夜の読経が行われる場
ぶつでん
七堂伽藍の中心に位置する建物で、永平寺の本尊・釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)を祀る。禅にまつわるエピソードを伝える12枚の欄間彫刻がみものだ。
僧堂・浴室・東司の3カ所は三黙道場とよばれ、私語厳禁。衣食住のすべてが修行であるという教えに基づく。
修行生活の中心の場所
そうどう
畳1枚分のスペースが与えられ、坐禅・食事・睡眠を行う生活に根付いた場所。内部は見学不可。
お手洗いも修行
とうす
雲水が利用するお手洗い。道元禅師が決めた手順に従い行う。生きるすべてが修行であることを感じさせる。
水や清掃係への感謝を込めて
よくしつ
一挙一動、身も心も浄める入浴を行う。正式な入浴は4、9が付く四九日のみ。外からのみ見学可。
明治14年(1881)に再建されたもの。承陽門以外は撮影不可
道元禅師を祀る曹洞宗の聖地
じょうようでん
開祖道元禅師御霊骨と歴代禅師の位牌を安置。定められた僧しか立ち入れない場所があるなど、日本曹洞宗の聖地とされている。
昭和5年(1930)に新しく設けられた場所
全国から納められた位牌を安置
しどうでん
一般の人の供養、納骨などの法要を行う。位牌は全国の檀信徒から納められている。入口には約18mの巨大な数珠がある。
重要文化財に指定されている品も複数展示されている
宝物や古文書を多数収蔵
るりしょうぼうかく
永平寺に関わる貴重な品々を展示している。道元禅師の直筆と伝わる書など、みどころが多い。拝観の最後にゆっくり見てまわろう。