
房総半島南端近くからぐるっと外房を北上するドライブひとり旅。新鮮な野菜や海産物など、その土地ならではのグルメを味わうのが楽しみのひとつだが、裏テーマは、近年注目を集めているクラフトジン。造り手の思いが込められたクラフトジンを買い、それに合うグラスを探す。旅の思い出に浸りながら、自宅でジンを味わうのも楽しい。

首都高ほか各高速道路ICから富津館山道鋸南保田ICへ。都心からは車で60~90分ほど。東金九十九里有料道路小沼田ICから都心へは車で60~90分ほど
主要都市からの便が発着する羽田空港を起点にしてレンタカー利用がおすすめ。羽田空港から富津館山道鋸南保田ICまで車で約50分。東金九十九里有料道路小沼田ICから羽田空港へは車で60~90分ほど


公共交通が不便なエリアなので、ドライブを推奨。絶景・大山千枚田を訪問後は「Café & Meal MUJI みんなみの里」でランチを。里山の風景を眺めながら、季節感いっぱいのサラダバーで野菜をたっぷりと補給したい。亀田酒造の蔵を見学する場合は必ず事前に予約を。ショップでは試飲も用意されているが、ドライブだと試飲ができないので、店のスタッフに好みの味を伝えて選んでもらおう。宿泊は館山駅周辺のカジュアルな宿にして、夕食を駅周辺に点在する食事処でローカルなクラフトジンと一緒に味わうのもおすすめだ。2日目は太平洋岸を爽快にドライブ。ランチはいすみの海鮮料理店で、ブランド伊勢海老を味わおう。ゴールの「Sghr スガハラ」は、手作りガラス製品で人気の工房。ショップで購入したジンに合うグラスを探したい。週末には、ガラス制作体験もやっているので、時間が許せば予約して体験しよう。



鋸南保田ICで降りたら、房総半島の内陸部へと向かう。海岸から少し離れると、なだらかな起伏が続く里山の風景が広がる。どこか懐かしい風景の象徴ともいえるのが「大山千枚田」。都心からもっとも近い棚田といわれ、棚田の上部から見下ろした風景が見事。里山の風景に溶け込む「Café & Meal MUJI みんなみの里」で、サラダバー付のランチを満喫したら、老舗酒蔵「亀田酒造」へ。近年、クラフトジン造りに取り組んでおり、併設のショップで購入できる。タイミングが合えば酒蔵見学もできるので、興味があれば事前に予約しておこう。宿に向かう前に、千葉でいちばん新しい「道の駅 グリーンファーム館山」へ。「TATEYAMA GIN」のクラフトジンをはじめ、さまざまな地元アイテムが揃っているのでおみやげ探しを済ませておこう。宿は館山駅周辺の素泊まりの宿へ。近くに食事処が集まっているので、好みの店を選ぼう。

1.霧がかかる刈入れの終わった「大山千枚田」。春か秋の早朝に霧が発生する確率が高い 2.「Café & Meal MUJI みんなみの里」の「里山のサラダバー」 3.「亀田酒造」の減圧蒸留器 4.「道の駅 グリーンファーム館山」には地元産品が集結 5.「tu.ne.Hostel」の共用ラウンジは、宿泊者のコミュニケ-ションの場



春.4月に代かきが始まりゴールデンウイークごろに田植えを終える 夏.稲がすくすくと育ち、鮮やかな緑の田んぼに 秋.8月末から9月上旬ごろの稲刈り直前には、黄金色の稲穂が見られる 冬.稲刈りが終わった後の田んぼはどこか寂しい。まれに積雪が見られることも
おおやませんまいだ
房総半島のほぼ真ん中、面積約3.2haの急傾斜地に、階段状に棚田が広がる。日本で唯一、雨水のみで耕作を行っている天水田で、現在はNPO法人 大山千枚田保存会によって保存活動が進められている。いくつかの眺望スポットがあるので、車を停めて散策するのがおすすめ。あぜ内は進入禁止なので立ち入らないよう注意。
富津館山道鋸南保田ICから車で20 分
鴨川市平塚540
見学自由(周辺の私有地やあぜ内への侵入は禁止)
見学自由(周辺の私有地やあぜ内への侵入は禁止)
周辺に約20台
秋から冬にかけて、大山千枚田ではライトアップイベント「棚田のあかり」が開催される。さまざまに色を変えるLEDライトによって田んぼ1枚1枚が縁取られ、光の波のような幻想的な光景に。昼間とはまったく違った風景は一見の価値アリ。
【開催期間】10月下旬~1月中旬ごろ 【時間】17~20時ごろ 【問合先】04-7099-9050(NPO法人 大山千枚田保存会) 【料金】見学自由



1.直売所に隣接するカフェ。大きくとられた窓の向こうに田園風景が広がる 2.プリンセスサリーをたのしむスープカレー1800円。スープバー、サラダバー付 3.地元の「長狭米」から造る日本酒を蒸留した里山GIN300㎖2860円
かふぇあんどみーるむじみんなみのさと
無印良品が手がける里山カフェ。無印良品が地元の人と一緒に考えて栽培したお米「プリンセスサリー」を使った料理が楽しめる。すべての料理に付く里山のサラダバーは、常時14種類ほどの手作りサラダやスープなどを好きなだけ食べられる人気メニュー。隣接の直売所では、地元「亀田酒造」と一緒に作ったジンや日本酒をはじめ、新鮮野菜や地域の産品などを販売。


1.長狭街道沿いにある老舗酒蔵 2.ジンを熟成させるシェリー樽と減圧蒸留器 3.敷地内にある寿萬亀ギャラリー(3号売店)では写真家ローレンス・ハッフ氏の作品を20枚以上展示 4.兵庫産山田錦を35%まで精米した、「超特撰大吟醸 寿萬亀」720㎖5590円 5.「房総檸檬」500㎖3300円。「寿萬亀」を蒸溜し、地元産レモンなどを香り付けに使用 6.「寿萬亀 アンバーカラー ジン」700㎖5500円。5種類の南房総産ボタニカルで香り付けしたジンをシェリー樽で貯蔵して深みのある味わいに
かめだしゅぞう
宝暦年間(1751~1764)に創業した老舗酒蔵。日本酒は「寿萬亀」の銘柄で広く愛されており、看板商品の「超特撰大吟醸 寿萬亀」は10年連続モンドセレクション金賞受賞の逸品。明治神宮に御神酒(白酒)を奉納する全国で唯一の酒蔵としても知られる。全銘柄を取り扱うショップを併設し、予約すれば酒蔵見学もできる。


1.田園風景に溶け込む緑の建物 2.須藤牧場の「ピーナッツ生シェイク」900円 3.館山銘菓「花菜っ娘」の房洋堂が手がける道の駅オリジナル土産、「花まるタルト」5枚入り1188円 4.「TATEYAMA GIN 001」 200㎖2200円
みちのえき ぐりーんふぁーむたてやま
2024年にオープンした県内最新の道の駅。「マーケット」では、近隣の生産者約270軒から届く野菜や果物、加工品などを販売。生シェイクの仕掛け人「須藤牧場」のテイクアウトカフェや、自然派レストランなども話題。収穫体験など各種体験を随時実施しており、2026年には車いす専用のいちご狩り施設もオープンした。
「道の駅グリーンファーム館山」で購入できる「TATEYAMA GIN」は、館山駅の近くにある小さな蒸留所。花やハーブ、フルーツなど、さまざまなボタニカルを使用した香り豊かなジンを造っている。オンラインショップのほか、周辺の道の駅や館山市内の酒屋などで購入できる。



1.「tu.ne.Hostel」には男女共用ドミトリーのほか、女性専用ドミトリーと2つのツインルームがある 2.ゆったりとした共用ラウンジはゲストの交流の場 3.コンパクトなワーキングコーナー。テレワークにも最適 4.「tu.ne.HIGORO」のシングルルーム
つねほすてる/つねひごろ
「tu.ne.Hostel」は古い病院をリノベーションしたゲストハウス。客室はドミトリーとツインルームのみで定員は17名。広々としたラウンジやワーキングコーナーなど、共用スペースが充実している。素泊まりが基本だが、共用キッチンを使用できるので長期滞在にも対応。向かいにある別館「tu.ne.HIGORO」には3つのシングルを含む6つの個室を備える。どちらもシャワー、トイレは共用となる。


1.伊勢エビのトマトクリームパスタ。料理は季節や仕入れ状況により変わる 2.お酒も充実。「TATEYAMA GIN」のオリジナルレシピも豊富に揃う
あくあとっつぉ
小さな店からスタートしたトラットリアが、現在の場所に移転。地元の素材を用いて丹精込めて手作りした料理が人気で、豊富なお酒とのペアリングも楽しめる。料理はグランドメニューのほか、その日だけのおすすめ料理なども。必ず予約してから訪れよう。
宿でゆっくり過ごしたいなら、食事付きのオーベルジュはいかが? 早めにチェックインしてゆったりとした敷地でのんびり過ごす。夕食にはシェフ渾身のフレンチを味わい、貸切風呂でリラックス。旅の楽しみがさらにアップするので、ご褒美旅行にもおすすめ。


おーべるじゅ おーぱゔぃらーじゅ
平砂浦海岸からほど近くにある、田舎の隠れ家オーベルジュ。12歳未満は利用できない大人専用のリゾートで、敷地内には芝生の庭やプールを備えるほか、館内にはフォトギャラリーや漫画ライブラリー、ゲームルームなども。5つのタイプの客室があり、ひとり利用もOK。夕食にはとれたての地魚や新鮮な朝採り野菜を使った南房総フレンチを、豊富なワインとともに存分に味わえる。

1.スタンダードダブルルーム 2.武田シェフが腕によりをかけて作るディナーコースの一例
JR館山駅から車で20分
館山市犬石1687
1泊2食付2万4500円~(1室1名利用時)
IN15時/OUT11時
30台

2日目は少し早めにチェックアウトしてドライブに出発。太平洋を右手に見ながら鴨川へと向かう。「Kamogawa SEASIDE BASE」で海を見ながら軽い朝食でお腹を満たしたら、再び北上。途中の風景を楽しみながら、ゆっくりと九十九里に向かおう。地図を見て気になるスポットがあれば、気ままに立ち寄れるのもひとり旅ドライブならではの楽しみだ。いすみの「割烹かねなか」では、名物の伊勢海老を使ったちょっと贅沢なランチを満喫。まっすぐな道が続く九十九里有料道路を北上して最後の目的地「Sghr スガハラ」を目指す。ギャラリーのようなファクトリーショップでジンに合うグラスを探し、おしゃれなカフェでひと休み。時間が合えばガラス制作体験もおすすめ。手作りガラスの魅力を再発見しよう。

1.鴨川の江見付近を爽快にドライブ 2.九十九里では、どこまでも続く砂浜を眺めながら有料道路を北上する 3.ランチには伊勢海老のほか季節の地魚をたっぷりと使った豪快な海鮮丼を 4.「Sghr スガハラ ファクトリーショップ」でお気に入りのグラスを見つけよう 5.「Sghr café」では、ガラスの器の楽しみ方を提案



1.ブルワリーの2階には開放感抜群のテラス席がある 2.「鴨川産はっさくデニッシュ」385円(店内)、「ホットレモネード」510円(店内) 3.スムージー専門店「FRUITS STYLE」の9種の野菜が入った「グリーンフルーツスタイル」780円(テイクアウト)
かもがわしーさいどべーす
前原海岸沿いの広々とした敷地にある複合施設。鴨川初のクラフトビールのブルワリー「Kamogawa BREWERY」の2階にはテラス席があり、コーヒーやレモネードなどのドリンクや、1階「LAYER BAKERY」で買った焼きたてパンなどを楽しめる。別建物の「BEACH MARKET」には、おみやげショップのほか、スイーツやスムージーのショップがある。


勝浦の鵜原理想郷ではリアス海岸の海岸美を満喫。ハイキングコースが設けられており、鐘付デザインベンチのある手弱女平(たおやめだいら)など、眺望スポットが点在

1.伊勢海老やアワビ、ハマグリ、地魚が豪快にのった「極上いすみまるごと海鮮丼」(地魚あら汁付)4070円 2.店内にはテーブル席や座敷席、カウンター席などがある
かっぽうかねなか
漁港の入札権をもつ店主が毎朝港から仕入れる新鮮魚介を提供する割烹の店。注文を受けてすぐ店内のいけすから取り出す名物の伊勢海老は、1匹から注文できるほか各種定食でも味わえる。いすみのブランド伊勢海老のプリプリの食感を満喫しよう。新名物になりつつあるトラフグの扱いも始まっているのでチェックしておこう。
伊勢海老の水揚げ高が全国1位の千葉県のなかでも、いすみ市は全国トップクラスの水揚げ高を誇る。その理由は、いすみ市の沖合に広がる「器械根」と呼ばれる磯根。ここでは、伊勢海老をはじめとするさまざまな魚介類が暮らしており、ここでとれるいすみのブランド伊勢海老「器械根イセエビ」は身が締まっていて濃厚な味わい。6・7月が禁漁期で旬は8~12月と4~5月。大原漁港では8~10月ごろの日曜に「いすみイセエビまつり」が開催される。


1.Sghrスガハラ ファクトリーショップ。ギャラリーのような空間に作品がぎっしり 2.週末には予約制でガラス制作体験を実施。自分だけの作品づくりに挑戦しよう 3.敷地内のSghr Caféでは手作りにこだわったメニューを提供。写真は、The Rising Sun Coffeeによるオリジナルブレンド豆を使ったカプチーノ、ベイクドチーズケーキ
えすじーえいちあーるすがはら
1932年創業のガラス工房。ハンドメイドガラスにこだわり続け、90年以上にわたって丁寧に製品を作り続けている。製品数は3000点ほどもあり、工房敷地内にあるファクトリーショップには、ほぼ全製品を展示。Sghr caféでは、手作りのランチやスイーツ、ドリンクを自社のガラス食器で提供してくれる。週末には、ガラス制作体験を実施。必ず予約を。
JR東金駅から車で12分
九十九里町藤下797
20台
【Sghr スガハラ ファクトリーショップ】
9時30分~17時30分
不定休
【Sghr café Kujukuri】
10~18時(17時30分LO)
不定休

お酒の種類や飲み方によってぴったりのグラスをお選びします。気軽にお声がけくださいね。

ジントニックなどには定番のタンブラーを。規則的な模様と泡の組み合わせで、光がキラキラと反射して目にも楽しませてくれます。

デュオ:オールド コバルトブルー 4400円
シンプルにロックで飲むならロックグラスで。1996年の発表以来、大ヒットを続けているスガハラの代表作で、ずっしりとした高級感があります。

3種の泡:神秘的に立ち昇る泡 ショット クリアー 5280円
ストレートに味わうならショットグラスを。神秘的に立ち昇る泡シリーズのショットグラスで、泡が立ち昇る姿をガラスの中に閉じ込めています。




1日目は棚田の風景や地元で採れた野菜など、房総の里山を存分に堪能。老舗の酒蔵や道の駅でクラフトジンなどのローカルなお酒をおみやげに購入し、夕食に訪れた食事処では地元食材の料理とお酒ですっかりいい気分に。2日目は太平洋の海岸線をドライブしながら、きれいな風景を見つけては気ままにストップ。海が見えるカフェや名産の伊勢海老を堪能しつつ、ガラス工房では素敵なグラスを購入。旅を終えたいま、思い出に浸りながら千葉のグラスで千葉のジンを楽しんでいる。