事前の準備や現地滞在で戸惑うことがないよう、出発前に把握しておきたい基本的な情報をQ&Aでご紹介。あらかじめ疑問を解決して、快適な旅を。
快適な旅には事前の準備、下調べが肝心だ
観光目的の場合、通常6カ月未満の滞在ならビザは不要。ただし、2025年1月8日以降、日本国籍者は電子渡航認証(ETA)の事前承認を受けることが義務づけられている。出国用予約済航空券、滞在費用証明を求められる場合もある。また、パスポート残存有効期間が帰国時まであることが必要。
グリニッジ天文台のあるイギリスの標準時が世界標準時で、日本との時差はマイナス9時間。イギリスのほうが遅れている。3月最終日曜の午前1時から10月最終日曜午前2時まではサマータイムが採用され、日本との時差はマイナス8時間になる。
日本からは直行便で14〜15時間。ロンドンのみ滞在のツアーは3泊5日が主流だが、イギリスに夕方〜夜に着いた場合、実質滞在期間は2日間。地方へ行くなら5〜6泊はしたいところ。羽田発の深夜便では、現地の早朝に着き時間を有効に使える。
通貨単位はポンド(£)と補助単位のペニーの複数形ペンス(p)で、£1=100p。紙幣は£50、20、10、5の4種類、硬貨は£2〜1pの8種類。 紙幣は2024年半ばから新しい紙幣が流通している。スコットランドや北アイルランドなどでは独自の紙幣もある。
イギリスは北海道より高緯度に位置しており、夏場は湿度も低く、平均気温20℃以下と過ごしやすいうえ、21時ごろまで明るい。庭園の花が最も咲き揃うのは4〜6月。
クイーンズ・イングリッシュともいわれ、アメリカ英語よりも巻き舌が少なく、単語をはっきりと発音し、単語間を区切って話す傾向がある。地下鉄をundergroundというなど(アメリカ英語subway)、アメリカ英語と違う単語も多い。
ロンドン中心部や観光地で過ごすことが多くなるなら、食費や宿泊費は高くなりがち。それでも、大英博物館などの公共施設は入場無料、交通費もオイスターカードを利用して抑え、飲み水は安いスーパーで買うなど、工夫次第で節約できる。
イギリスの習慣やマナーを知るのも大切
イギリスではサービスに対する心付けとしてチップを渡す習慣がある。レストランやカフェの店員、タクシー運転手への基準は料金の10〜15%、ホテルのスタッフには£1〜2を目安に
車は日本と同じく道路の左側を通行する。横断歩道では路上に書かれた「LOOK RIGHT(右を確認)」に従い、しっかり安全確認しよう。エスカレーターや動く歩道は、右側に立ち、左側を急ぐ人用に空けておくのが一般的。
百貨店や大型スーパーなどは、午後からの営業となっていることが多い。店によっては少し早くから店を開き客が商品を選ぶ(ブラウジング)ことができるが、レジでの精算はできない。
イギリスでは行列を"que"という。平等や公平を重んじるイギリス人は行列の順番をよく守る。複数の窓口がある場合は、1列に並び空いたところへ順番に入る。パブの注文では行列をつくらないが、カウンターについた順を店員が覚えていて注文を聞いてくれる。
高級レストランやホテルでは、スニーカーやTシャツ、ジーパンなどのカジュアルな服装では入場を断られることもある。スマートカジュアル以上を心がけたい。男性は襟付きシャツにジャケット、女性はワンピースなどきれいめなものが目安。
アルコール、たばこともに18歳から購入できる。日本人成人であれば問題はないが、アジア系は若く見られがちで身分証明書の提示を求められることもあるので注意したい。駅や劇場のほか、パブやバーなども屋内は全面的に喫煙は禁止。
治安は悪くはないが、繁華街などでは旅行者を狙った置き引きやスリ、ひったくり、詐欺事件も発生しているので十分注意を。深夜の一人歩きや、終夜運行のバス、地下鉄など人気のない場所は十分に警戒したい。
基本的に女性優先がマナー。男性は女性がいたらドアを押さえて先に通す、先に席に座らせるなどの配慮が必要。男性から譲られた女性は「サンキュー」のひと言を忘れずに。
季節によっては小雨が降ったり止んだりする日が続くイギリス。よほどの大雨でない限り、上着のフードを被る程度の人がほとんど。日本のようにビニール傘が手軽に買えるわけでもないので気になる人は折り畳み傘を持参して雨に備えよう。
霧の都とよばれたロンドンだが、現在のロンドンでは霧が立ち込めることは少ない。産業革命時代から、冬に暖をとるためや蒸気機関を動かすために燃やした石炭により、スモッグが発生していたのがその由来なのだという。
冬の日照時間は、日本と比べて半分以下。それを取り戻すように春になってからは、少しでも晴れ間がのぞくと、公園や通りには日差しを求める人々が多く現れる。日焼けしているほうが健康的とされることもあり、秋口くらいまで半袖で過ごす人も多い。
掲載している日程は2025年9月~2026年8月の予定です。赤字は祝祭日で、茶色の文字はイベントです。※は年によって日程が変わる移動祝祭日。祝祭日が土・日曜にかかる場合はその翌日が振替休日になることもあります。また、ここには主要な日程のみ記載しているので、下記以外にも地域別の祝祭日があります。
クリスマス以降はツアー料金が上がるが、年明け10日を過ぎると料金は落ち着いてくる。2月は年間で最もツアー料金が安い傾向。
1月1日
ニュー・イヤーズ・デー
1月2日
バンク・ホリデー(スコットランド)
1月1日
ニュー・イヤーズ・パレード(ロンドン)
卒業旅行の若い日本人旅行者が多くみられる時期。チューリップやスミレ、桜草などが咲き始め、春の訪れを感じられる。
3月17日
聖パトリック・デー(北アイルランド)
4月3日
グッド・フライデー※
4月6日
イースター・マンデー※
4〜6月にかけてはイングリッシュ・ガーデンの花が咲き、ガーデン見学に最適。フラワー・ショーなども各地で開催される。
5月4日
アーリー・メイ・バンク・ホリデー※
5月25日
スプリング・バンク・ホリデー※
5月20〜24日
チェルシー・フラワー・ショー(ロンドン)
6月30日〜7月13日
ウィンブルドン選手権(ロンドン)
世界中から多くの旅行者が訪れるシーズン。日も長く、行動するにも欲張れる。日本のお盆の時期はツアー料金も急上昇する。
7月12日
オレンジメンズ・デー(北アイルランド)
7月17〜20日
ゴルフ全英オープン(北アイルランド ロイヤルポートラッシュGC)
8月3日
サマー・バンク・ホリデー※(スコットランド)
8月31日
サマー・バンク・ホリデー※(スコットランドを除く)
8月1〜23日
ミリタリー・タトゥー(スコットランド)
8月16日
プレミアリーグ開幕
夏〜秋にかけてはイベントも多く、旅行もしやすい時期。日本と比べて湿気を感じにくく、気温が同じでも過ごしやすい。
気温が下がり、ロンドンの赤い制服を着ていた衛兵たちは灰色のコート姿に。クリスマスも近づき、街のイルミネーションが美しい。
11月30日
セント・アンドリューズ・デー(スコットランド)
12月25日
クリスマス
12月26日
ボクシング・デー
12月31日
ニュー・イヤーズ・イヴ