
周りのヨーロッパ諸国との違いなど、事前に知っておきたい項目を確認! ハイシーズンは他国からの観光客も多いことを念頭に入れておこう。


快適な旅には事前の準備、
下調べが肝心だ

観光目的の場合は、直近180日間のうち、合計90日以内の滞在であれば不要。パスポートはシェンゲン協定加盟国出国時に3カ月以上の残存有効期間が必要。また、今後はEES、ETIAS(欧州渡航情報認証システム)が導入予定となっており、オンラインによる事前申請と認証が必須となる。


直行便はスイス インターナショナル エアラインズ(LX)と全日空(ANA)の共同便で、成田〜チューリヒ間のみ運航されている。1日1便、週5便の運航(2025年4月現在)。

日本と比べてスイスのほうが8時間遅い。日本が正午のときスイスは同日の朝4時。ただし、3月最終日曜〜10月最終日曜の間はサマータイムとなり、時差は7時間となる。


1日目はスイスまでの移動日、最後の2日間は日本へ帰るための移動日となるため、最低でも1週間は欲しい。国内を鉄道で移動する場合は、8日以上を予定しておきたい。

夏はハイキング、冬はウインタースポーツと年に2回のベストシーズンがある。特にハイキングの時期は日本人観光客に人気。高山植物が咲き始める6月から混み合う。


スイスはEUに加盟していないため、通貨単位はユーロ(€)ではなく、スイスフラン(CHF.)。補助単位はフランス語圏はサンチーム(Ct)、ドイツ語圏はラッペン(Rp)。

SBB(スイス国鉄)の場合は特急券や座席指定券は必要ないが、氷河特急をはじめとした私鉄や観光用の列車は指定券が必要なものがほとんど。早めの予約がおすすめ。



物価や文化のギャップを
知って旅に生かそう


ほとんどのホテルやレストランの金額にはサービス料が含まれているため、基本的にはチップは不要。タクシーで荷物の積み降ろしをしてもらうなど、気持ちのよいサービスを受けた時は、CHF.1〜5程度渡すとよい。

レストランでは各テーブルに担当のスタッフがいて、対応するスタッフでないとお会計を受け付けてくれない場合がある。最初にメニューを持ってきてくれるスタッフの顔を覚えておこう。

スイスの物価は高く、とりわけ外食にはそれなりの費用がかかる。スーパーでパンやサラダ、パテなどを購入すれば比較的安価にピクニックランチを調達できるだろう。市内の公共交通機関も運賃が高いため、レンタサイクルやスイストラベルパスを活用するとよい。

ドイツなどほかのヨーロッパ諸国に比べて、公共の清潔なトイレが整備されていることが多い。デパートや駅、電車内にも用意されていることがあるほか、料金がかかるものとかからないものとがあり、かかる場合はCHF.1〜2ほどが相場だ。

喫煙文化が根強く、一部のレストランにはたばこの自販機があるなど、あちこちでたばこを吸う人が見られるスイス。2019年以降国鉄全駅が禁煙になるなど、たばこ自体は制限されてゆく傾向にある。喫煙可能な場所を守り、副流煙や吸い殻には要注意。

店に入ったら店員にひと言声をかけるのが望ましい。買わないなら「Just Looking(見ているだけ)」など。都市部では朝市を開いている場合があり、新鮮な野菜や乾燥肉、雑貨などがある。肉類や生鮮品は日本に原則持ち込めないのでおみやげ選びは慎重に。コスメなどは免税店で選ぶ方が低コストだが、薬局で選ぶ方が品揃えは豊富。

スイスの治安は比較的よいが、空港や観光地などでは置き引き、スリ行為の被害も報告されている。外務省がHPで事例をまとめているため、要確認。


四季がはっきりしているスイスをより楽しむために、特色ある各地のイベントや、シーズンごとの服装などをしっかりチェックしよう。
祝祭日、イベントは2025年6月〜2026年5月までの予定 ※★の祝祭日は年により日付が変わります。日程や内容は変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。


6月9日
聖霊降臨祭月曜★
スイス連邦が定める祝日は8月1日の建国記念日のみで、そのほかは、各州ごとに制定されている。

6月末〜7月初旬
ザンクト・ガレン芸術祭(ザンクト・ガレン)
ザンクト・ガレン修道院前での野外オペラをはじめ、多彩なプログラムが揃う。


7月4日〜7月19日
モントルー・ジャズフェスティバル
世界中の有名ミュージシャンが集まるジャズフェスティバル。
7月26日〜9月6日
ウィリアム・テル野外劇(インターラーケン)
7月最終日曜
ゲンミ峠の羊飼い祭り(ヴァレー州、ベルン州)
州境にあるゲンミ峠に羊飼いと1000頭以上の羊たちが集う伝統の祭り。


8月1日
建国記念日
8月15日
聖母被昇天祭

8月1日
スイス建国記念祭(スイス各地)
1291年の独立を記念して、各地で式典やパレード、花火大会が催される。


9月13〜15日
クナーベンシーセン(チューリヒ)
17世紀に始まった伝統的な祭りで、13〜17歳の子どもたちが参加する射撃大会。
9月22日
チーズ分配の祭り(ユスティス谷/シグリスヴィール)
夏の間、山で作ったチーズを並べ、所有している牛の乳量によって分配していくチーズの祭り。


11月1日
諸聖人の日

11月第4月曜
ツィーべレメリット(ベルン)
タマネギ市といわれる伝統的な名物市で、タマネギを売る露店が並ぶ。


12月8日
無原罪の御宿りの日
12月25日
クリスマス
12月26日
聖シュテファンの日

12月12〜14日
エスカラード(ジュネーヴ)
中世の衣装を身につけた兵士や市民、ギルドなどが街を練り歩く。
12月25日
クリスマス(スイス各地)
12月上旬から各地でマーケットが開かれ、街はイルミネーションで華やかになる。


1月1日
元日
1月2日
聖ベルヒトルトの日

1月7〜14日
ヘクセンアブファート(ブラッテン・ベラルプ)
アレッチ氷河付近の村の魔女伝説が原型。魔女の衣装のスキーヤーが滑走。


2月第1土曜
ホム・シュトローム(シュクオール)
9mほどのポールに藁を巻き付けて、村人たちが歌いながら焼き払う。


3月1日
チャランダマルツ(エンガディン地方)
子どもたちが鈴や大きなカウベルを鳴らして村を歩きまわり、冬を追い払う祭り。


4月3日
聖金曜日★
4月6日
復活祭月曜★

4月20日
セクセロイテン(チューリヒ)
チューリヒ最大の春祭り。昔のギルドの装束を着たパレードも。
4月最終日曜
ランツゲマインデ(アッペンツェル)
直接投票で行う青空議会。


5月14日
キリスト昇天祭★
5月25日
聖霊降臨祭★

※日の出、日の入は2025年6月〜2026年5月のチューリヒの時刻。気温・降水量は理科年表2025を参照。
※2025年6〜9月、2026年3〜5月はサマータイムの時間を採用。


高山植物が最盛期を迎え、アルプスの山々が活気にあふれる。ハイシーズンとなり、たくさんの観光客で賑わう。
6月はまだまだ朝晩は寒いので防寒着の用意を忘れずに。ハイキングをする場合は、7〜8月でも山の天気は変わりやすいことを心にとどめ、雨具や軽い上着を用意しよう。

紅葉や黄金色に輝くブドウ畑はみもの。夏に作ったワインとチーズの味も格別で、9〜11月はジビエ料理も味わえる。
冬に向かってだんだんと日が短くなっていく季節。山には初雪が降る時期なので簡単な防寒着を用意しよう。春先同様に日中は暖かくても、朝晩は冷え込む。

大自然に囲まれた白銀の世界を楽しみに、多くのスキーヤーやスノーボーダーが訪れる。最近では冬ハイキングも人気。
氷点下になることも多いので防寒対策が必要。朝晩は最低気温が氷点下になる。雪山に登る際は、紫外線対策にサングラスやUVカットの日焼け止めを用意しよう。

スイス南部や湖畔の街から花が咲き始める。牧草地では5月中旬から6月中旬にタンポポなどの花が見頃を迎える。
まだまだ寒さが残る春。日中は気温が上昇するが、朝晩の冷え込みが厳しいなど一日のなかでの寒暖差が激しい。防寒着などの寒さ対策をしっかりとしていこう。