ユネスコ無形文化遺産に登録された高山祭。まずは、基本情報や当日楽しむための必見ポイントをチェック!通年楽しめる高山祭スポットにも注目。
高山祭はイベントではなく神事。春は豊作祈願、秋は収穫への感謝を込めた祭りは、氏神と氏子の変わらぬ絆。変えずに受け継ぐことそのものに意義がある。
「 すべからく祭事は先例を継ぐべし」という意味の言葉が記された山王祭の旗
祭屋台は春・秋合わせて23台。均整のとれた優美な構えを、塗り・彫刻・錺かざり金具・織物が彩る。飛騨の匠の見事な技と、それを支える旦那衆(豪商)が作り上げた動く芸術品だ。
山王祭(春の高山祭)に登場する龍神台のからくり
高山城のかつての城下町の南半分と北半分の地域ごとに行われる。互いにちょっぴりライバル意識をもちつつ、切磋琢磨して祭りを受け継ぐ。
旧高山城下町の南半分の氏神様・日枝神社の例大祭。
旧高山城下町の北半分の氏神様・櫻山八幡宮の例大祭。
高山駅周辺
たくみどおり
JR高山駅の自由通路「匠通り」の壁面装飾は、祭屋台がテーマ。実物の車輪や装飾品、実際に使用した大工道具などを展示。
桜町
たかやままつりやたいかいかん
高山祭の舞台・櫻山八幡宮境内にあり、秋の祭屋台を常設展示する。高山祭のビデオ上映(10分間)もある。
千島町
ひだたかやままつりのもり
飛騨の伝統文化と新しい技術を融合し、平成に誕生したまつり屋台を見学できる。光と音を駆使した豪華絢爛な屋台のパフォーマンスで風情あふれる祭りの雰囲気を味わおう。
飛騨高山観光公式サイトで確認できるほか、当日は高山祭案内本部でも最新情報やパンフが手に入る。
洗練されたフォルムに豪華な装飾が施された高山の祭屋台は、江戸の粋と京の雅の美しい融合。東西の文化の交流と飛騨の匠の技の集積たる祭屋台を大解剖。
昔ながらの装束を見るのも高山祭の楽しみ。ここでは2つをご紹介するが、ほかもみんなきらびやか。
沿道随所にある雅な飾りは、かつて屋台組ごとに氏神様から分霊を招いてお祀りした名残。赤土の道がつけられている。
木工、漆、彫刻など屋台を修理する職人がすべて揃っているのが高山祭の大きな特徴。古い町並の散策中に立ち寄れる2軒をご紹介。
古い町並エリア
しんみょうかじや
祭屋台を支える車輪の強度を保つカスガイなどを手がける。仕事の合間に作る鉄の小物も味わい深い。花かんは4800円~。
1.きりん 銀のピンズ4530円/2.龍(辰)のピンズ3800円
本町通り周辺
ふわかざりこうぼう
動く芸術品と讃えられる祭屋台を彩る華やかな錺金具。鏨(たがね)で金属から形を切り抜き、文様を彫って仕上げる繊細な仕事を担当するのは、不破健人・健介さん親子。鏨の技術を生かしたアクセサリーなども販売。
赤飯と地元料理を一つの器に一緒盛りにした、祭り当日限定の伝統料理・楪子盛(ちゃつもり)。高山市内の料亭で味わえる。
古い町並エリア
りょうてい すざき
創業230年、岐阜県最古の料亭。代表料理は、室町時代に成立した本膳料理をルーツとする「宗和流本膳崩」。高山祭には、赤飯や郷土料理を寄せた楪子盛が本膳崩に組み込まれる。コース料理「宗和流本膳崩」は1万5730円。