地元では「西郷(せご)どん」の名で親しまれる、鹿児島の英雄、西郷隆盛。西南戦争の激戦地であり、西郷どん終焉の地となった城山でゆかりのスポットを巡ろう。
鹿児島城下で下級武士の家に生まれるが、藩主・島津斉彬(しまづなりあきら)に目をかけられ、倒幕・明治維新の中心人物となる。明治新政府では要職に就くも「明治六年政変」で鹿児島へ下野し、私学校を設立。西南戦争で薩軍を率いて城山にて自刃する。
写真嫌いは有名で明治天皇に求められても拒んだほど。写真がない代わりに肖像画は数多く残り、特に有名なのはイタリア人画家・キヨッソーネによるもの。
写真:西郷南洲顕彰館蔵
西郷隆盛の座右の銘で「敬天(けいてん)」とは天を畏れ敬う、「愛人(あいじん)」とは人を慈しみ愛するという意味。明治時代に旧庄内藩士がまとめた西郷隆盛の遺訓集『南洲翁遺訓(なんしゅうおういくん)』にこの言葉がある。
意外にも、飲むとすぐ顔が赤くなるほどお酒は苦手だったそう。代わりに大の甘党で、鹿児島銘菓のかるかん饅頭が好物の一つだったとか。
西郷隆盛ゆかりの地を巡るには、カゴシマシティビューの利用がおすすめ。鹿児島中央駅から西郷隆盛銅像前まで向かい、バスと徒歩で各スポットを訪れよう。
銅像は鹿児島市出身の安藤照による制作。
さいごうたかもりどうぞう
城山の麓に立つ、軍服姿が凛々しい西郷隆盛の大きな銅像。昭和12年(1937)に西郷の没後50年を記念して建てられたもので、鹿児島を訪れた観光客には記念撮影のスポットとしても人気が高い。
近くで見るとその大きさに驚くはず
ごろうもん
島津氏の居城・鹿児島城(通称:鶴丸城)の本丸正面中央にあった城門。明治6年(1873)に火災で焼失したが、2020年に再建された。高さ・幅ともに約20mと迫力満点。
レモンケーキと薩摩紅茶各400円。セットは50円引き
ちん じゅかん ぽたりー きっさしつ
薩摩焼を代表する窯元・沈壽官窯とデザイン会社・ランドスケーププロダクツが手がけるモダンな薩摩焼を扱うギャラリー&カフェ。薩摩焼を使って提供されるスイーツやドリンクでひと息つこう。花びらを思わせる「BLOOM」シリーズ3850円~。
バス停薩摩義士碑前からすぐ
鹿児島市城山町7-2黎明館内
11~17時LO(日曜、祝日10時〜)
月曜(祝日の場合は翌日)、毎月25日(土・日曜、祝日の場合は営業)
125台
常設展も見ごたえのある資料が並ぶ
かごしまけんれきし・びじゅつせんたー れいめいかん
慶長6年(1601)に薩摩藩初代藩主の島津家久が築いた鹿児島城跡に立つ博物館。鹿児島県の歴史、民俗や考古、美術・工芸などを常設展のジオラマや映像、貴重な資料で知ることができる。多彩な企画展も随時開催している。
バス停薩摩義士碑前からすぐ
鹿児島市城山町7-2
入館420円
9~18時(入館は~17時30分)
月曜(祝日の場合は翌日)、毎月25日(土・日曜、祝日の場合は開館)
125台
西郷が最後まで指揮をとっていた場所がここだ
さいごうどうくつ
西南戦争で政府軍に追い詰められた薩軍の西郷隆盛と側近たちが、最後の5日間、立てこもった洞窟。西郷はこの洞窟を9月24日の朝に出て、城山を下る途中で被弾し、別府晋介の介錯で自刃、49歳の生涯を閉じた。
桜島や鹿児島市街を一望できる絶景スポット
しろやまてんぼうだい
天文館からもほど近い標高107mの山で、西南戦争で西郷隆盛率いる薩軍が政府軍と最後に戦った場所。山頂付近は展望台として整備され、正面に錦江湾と桜島、眼下に鹿児島市街地を見渡せる絶景スポットとして親しまれている。政府軍に囲まれた薩軍が本営を置いた場所には薩軍本営跡の碑もある。
幕末の薩摩の歴史を学ぶならココへ
かごしましいしんふるさとかん
明治維新を支えた偉人たちの生活や幕末の薩摩の様子をわかりやすく紹介する。そっくりのロボットが登場するドラマ『維新への道』は必見。
バス停維新ふるさと館(観光交流センター)前から徒歩1分
鹿児島市加治屋町23-1
入館大人300円、小・中150円
9~17時(入館は~16時30分)
無休
24台
西郷どんの生涯がとことん学べる
さいごうなんしゅうけんしょうかん
西郷隆盛の生涯や業績について、ジオラマや映像などで詳しく紹介。西郷の衣服や書などの遺品や西南戦争に関する資料も展示している。
南洲神社の境内にある和カフェ
けいしょく・ざっかわかふぇ なんしゅう
西郷隆盛を祀る南洲神社境内にあるカフェ。西郷どんにちなんだ甘味やキュートな雑貨もあり。
バス停西郷南洲顕彰館(南洲公園)前からすぐ
鹿児島市上竜尾町2-1南洲神社内
10時30分~16時LO
月・火曜(祝日の場合は営業)
50台(南洲公園駐車場利用)