世界中から集められた古代から近現代の美術の名作がずらりと並ぶ美術館。倉敷の実業家・大原孫三郎と岡山出身の画家・児島虎次郎によるコレクションを中心に、19世紀半ばから20世紀の芸術作品が紹介される。
おおはらびじゅつかん
昭和5年(1930)に設立された日本初の西洋美術中心の私立美術館。世界的に有名な西洋画をはじめ、日本の洋画、彫刻、工芸品や古美術など、国や時代を超えた多彩な品々を約3000件収蔵している。
倉敷市中央1-1-15
JR倉敷駅から徒歩12分
入館2000円(本館/工芸・東洋館)9〜17時(12〜2月は〜15時)
月曜(祝日・振替休日、7月下旬〜8月は開館)
なし
館内は本館、分館、工芸・東洋館の3つからなり、通常は自由鑑賞。2024年4月現在、長期改修工事により、分館が休館。入館券は、2つの館(本館/工芸・東洋館)各館の入口にてスタッフが押印。入館券に押印されていない館(入館していない館)は当日ではなく別日でも利用できる(有効期限なし)。
開館前の時間を利用し、解説員の解説を聞きながらクロード・モネ『睡蓮』などの名画を鑑賞。
【時】7時50分〜(約1時間)【料】1名3000円(要予約)※4~12月の第2・第4日曜日開催、最少催行人員5名に満たない場合は中止
倉敷の実業家・大原孫三郎のもとに、1つ年下の画家・児島虎次郎が美術学校の学費の支援を得ようと訪ねて出会った2人。孫三郎は虎次郎の人柄と才能を認め、奨学金はもとより、3度のヨーロッパ留学も支援し、また虎次郎が提案した美術作品の収集も承諾。だが、虎次郎はモネ、エル・グレコ、ゴーギャンといった名画家の作品の買い付けに見事成功するも、47歳という若さで他界してしまう。その死を悼んだ孫三郎は盟友・親友である虎次郎を顕彰するため、収集した作品と虎次郎の絵を展示する大原美術館を設立した。
岡山県出身の画家。画力はもとより、目利きにも優れ、多数の西洋美術品を収集。
倉敷紡績の2代目社長。社会・文化事業に取り組み、美術館や病院の設立に尽力。
開館当初の建物と、増設した展示棟で構成。児島虎次郎が買い付けた世界の西洋名画などが多数展示されている。
本館2階。広々としたスペースに数多くの作品を展示。
留学先のベルギーで描かれたもの。異国の少女が着物を身にまとう姿が、彼の目指す“東洋と西洋の交流”を表しており、大原美術館を象徴するような作品。
16世紀に活躍したスペイン三大画家の一人、エル・グレコの作品。聖母マリアが大天使ガブリエルからキリストの受胎を告げられる、新約聖書のシーンを描く。
後期印象派を代表するフランス出身の画家が、初めてタヒチに渡った際に描いた代表作。西洋文明に汚される以前の楽園(タヒチ)に描かれたイヴは、ゴーギャンの原始への憧れを象徴している。
睡蓮をモチーフにした絵画を生涯で約300点描いたモネの一枚。淡く繊細な色使いが特徴で、離れて見ると水面に映っている空や雲が描かれていることなどもわかる。
山の風景を題材にした作品群で知られるイタリア出身の画家・セガンティーニの作品。色はパレットで作らずに直接キャンバスに重ねる技法で、爽快なアルプスの奥行きが表現されている。
※展示替えなどにより、展示物や展示場所が変更になる場合があります。