琵琶湖に浮かぶ竹生島は、古来神が住む島として信仰を集めてきたパワースポット。その竹生島への連絡船が発着する長浜港エリアは、秀吉が建てた長浜城の城下町として栄え、今もレトロな風情が残る。竹生島で開運スポットを訪れた後は、長浜でモダンなショップ&カフェ巡りを楽しもう。
●北陸自動車道長浜ICから長浜港まで約5km。
●長浜港から黒壁スクエアまで約2km。
●名古屋駅から東海道・山陽新幹線ひかり・こだまで約25分の米原駅でJR北陸本線に乗り換えて約9分、長浜駅下車。
●長浜駅から長浜港へは徒歩12分。
●竹生島までの連絡船の時間や運行状況は季節で変動するのでHPで確認推奨。
長浜港から竹生島港までの所要は約30分。連絡船の料金は往復3200円で、入島するには入島料600円が別途必要
琵琶湖周辺に見られる優れた風景・琵琶湖八景の一つに「深緑 竹生島の沈影」 があるが、これは琵琶湖に濃い影を落とす深緑の竹生島の景観をいう。周囲約2㎞の小さな島ながら、日本三弁才天の大弁才天を祀る宝厳寺と四柱の神様を祀る都久夫須麻神社を有し、古来から信仰を集めてきた。
竹生島への連絡船の発着地となる港を有する長浜は、秀吉が建てた長浜城の城下町として栄えた湖北の町。町を貫く北国街道沿いは、江戸時代の宿場の面影を残し、琵琶湖方面に歩けば、日本最古とされる駅舎や明治天皇が行幸された迎賓館、慶雲館などの明治時代の建物にも出合える。長浜の中心地にある「黒壁スクエア」には「黒壁ガラス館」など、現在約30の古建築がショップやギャラリーに再利用されている。アクセサリーや生活雑貨、ガラスの美術館のほか、オルゴールや民芸品、国内外の雑貨を扱うセレクトショップなども揃い、買い物欲に火がつくこと間違いなし。ショッピングと併せて訪れたい個性的なカフェやレストランも点在する。明治時代の建物で食を堪能できるのは、長浜ならではの楽しみだ。
1.琵琶湖に住むと伝わる龍神を祀る拝所。願いを書いたかわらけを投げ、鳥居をくぐれば成就するといわれている/2.豊臣秀頼が伏見桃山城から移築した本殿は国宝に指定されている。内陣の拝観はできない
国宝の美しい本殿を有する
つくぶすまじんじゃ
市杵島比売命(いちきしまひめのみこと)・宇賀福神(うがふくじん)・浅井比売命(あざいひめのみこと)・龍神の四柱を祀る神社で、平安時代に記された『延喜式神名帳』にも登場する。琵琶湖に臨む断崖に立つ龍神拝所は島一番の絶景スポットで、かわらけ投げの風習が残る。
1.江の島・宮島と並ぶ日本三弁才天のなかでも最も古い歴史をもつ大弁才天を祀る本堂(弁才天堂)。人のけがれを払う水の神として信仰を集めた/2.願い事を書き入れて奉納すれば、1年間祈祷してくれる幸せ願いダルマ。奉納料600円で、本堂にて販売/3.国宝に指定されている唐門は秀吉時代の大坂城唯一の遺構としても注目される
日本三弁財天の一つを祀る古刹
ほうごんじ
神亀元年(724)、聖武天皇の勅命で行基が開山。日本三弁才天の一つを安置する本堂や重要文化財観音堂のほか、国宝の唐門や重要文化財の五重石塔などみどころが多い。西国三十三所観音霊場の第三十番札所でもある。
中央の建物が、黒壁スクエアのシンボル、黒壁ガラス館
レトロ&ハイセンスな観光エリア
くろかべすくえあ
長浜駅の北東、伝統的な建造物群が残る旧市街に広がるエリア。明治や大正時代の建物は、黒壁ガラス館を中心にカフェやレストラン、ガラス工房やセレクトショップなどに利用されている。個性ある店舗に立ち寄りながらレトロな町を散策しよう。
1.吹き抜け2階建ての店内/2.自然豊かなチェコ山間の小さな村でハンドメイドにより作られた香水瓶も/3.ガラスの爪やすりは大小ともに鮮やかな色合いだ
多種多彩なガラス製品が並ぶ
くろかべがらすかん
明治時代に建てられた、登録有形文化財の登録を受けている建物は、内装も当時の趣を残している。1階には国内で作られたガラスのアクセサリーや雑貨が、2階にはヨーロッパを中心に世界各国から取り揃えたガラス製品が揃う。
1.浜ちりめん がま口3575円。長浜の特産「浜ちりめん」がモダンでかわいい/2.滋賀かりんとう各356円。メープルやピーナッツなど5種が揃う/3.店内にはさまざまな雑貨のほか、こだわりの食品も並ぶ
滋賀の新たな魅力を発信する
くろかべあみす
滋賀の「ホンモノ」に焦点を当てた店。近江米や朝宮茶、湖魚や地酒など滋賀県下の銘品を多数取り揃える。琵琶パールや浜ちりめん雑貨のほか、信楽焼なども販売。
1.親玉饅頭は1個119円。自家製のこし餡がたっぷり/2.黒壁ガラス館より一本北側の祝町通り沿いにある
その風味「饅頭の親玉なり」
おやだまほんてん
天保年間(1830~44)に創業した老舗和菓子店。名物は、時の領主から「饅頭の親玉なり」と称賛されたという親玉饅頭や、地酒を使った風味豊かな酒元まんじゅう。ほか、でっち羊かんや北国街道など、さまざまな和菓子を販売する。
1.蔵を見ながらゆっくり過ごせる席もある/2.黒壁スクエアの一角にあり、町歩きの休憩に最適/3.花一日660円〜。ドリンクセット1100円〜
こだわりの和スイーツが味わえる
かふぇ かのう しょうじゅあん ながはまくろかべてん
築100余年の建物を利用した、落ち着いた雰囲気のカフェ。あんみつやぜんざいなど、自慢の和のお菓子だけでなく、好みのトッピングが選べるふわもち生地の生クリームどらやき花一日(はなひとひ)も人気。
1.築200年、かつて呉服店だった建物を利用している/2.焼鯖そうめん990円。サバは骨までやわらかく煮込まれている
湖北特有のユニークな郷土料理
よかろう
焼き目を付けてから特製のタレでじっくり煮込んだサバと、その煮汁で味を染み込ませたそうめんを合わせた、焼鯖そうめんを味わえる。単品でも満足感ある料理だが、本来はおかずのため、ご飯や鯖寿司とのセットメニューも揃う。