戦国時代に造られた黒い堅牢な天守と、江戸時代に増築された優雅な櫓。見学しながら戦国時代に思いを馳せよう。
北アルプスの美景をバックにそびえる名城
こくほう まつもとじょう
松本城は犬山城、彦根城、姫路城、松江城と並び、日本に5つしかない国宝の城の一つ。戦国時代末期の文禄3年(1594)ごろの武将石川数正・康長親子が建てた城で、城郭建築の傑作との誉れも高い。狭間や石落など、火縄銃での攻防を想定した意匠がみどころだ。現存する五重六階の天守としては日本最古という貴重な建造物を、隅から隅までチェックしてみよう。
松本市丸の内4-1
0263-32-2902
JR松本駅から徒歩20分
入城700円
8時30分~17時(最終入城16時30分)※時期により変動あり
12月29~31日
110台(1時間200円)
400余年の時を超えてきた漆黒の大天守。数々の意匠を凝らした戦国時代の建築様式をゆっくり見てまわろう。
文禄3年(1594)に建てられた大天守の最上階で眺めがよい。井桁梁でがっちりと組まれた天井が特徴的。
柱が30本もあり、非常に堅牢な造りになっている。四方に破風が開いているので戦況を見るのに都合がよく、有事には重臣たちがここで作戦会議を開いた。
柱が少なく天井が高く、明るい印象のフロア。有事の際には城主の御座所として使用されていたと考えられている。
3 階部分は、下から 二重目の屋根のところに隠れている。明かり取り(非公開)があるのみで薄暗く、倉庫として使われていた。
ほかの階に比べ窓が多く明るいのが特徴。江戸時代に製造された火縄銃を中心に、貴重な鉄砲約37点と兵装品を展示している。
一間ごとに柱が立っていて、天守全体の重みを支える。周囲が内側より45㎝低くなっているのは武者走りとよばれる意匠。戦時に武士が慌ただしく走るためにこの名がついた。
おみやげは大天守の見学後に購入がおすすめ。大天守の中の階段は狭く急なので手荷物は最小に。売店横にコインロッカーもある。
和柄のかわいいコインケース。コインだけでなく小物入れにもぴったり
松本城の大天守の雄姿が描かれたしおり。見た目もきれいなのでプレゼントにも
松本市在住の木版画 各470円家・塩入久さんの作品。四季折々の松本城が描かれている