
江戸時代の面影が残る倉敷美観地区には、情趣ある町家の旅館が点在。歴史ある空間ととっておきのおもてなしで、特別なひとときを過ごそう。


昭和32年(1957)の開業以来、板画家・棟方志功や作家・司馬遼太郎など、数々の文人墨客に愛された宿
りょかんくらしき
江戸時代築の元砂糖問屋の屋敷や蔵を改築した旅館。格子窓や梁を生かした趣の異なる8室は、現代的な機能を備え快適。中庭に臨むテラスで飲み物を味わいながらくつろぐのもおすすめ。写真は倉敷川に架かる「中橋」を間近に眺める「ゆの間」。



築約300年の伝統的な建物として、往時の外観を保存する。幕末、京都に向かう坂本龍馬が訪れた楓の間も有名
よしいりょかん
本町通りに立つ江戸時代後期の民家を改装した町家旅館。天井や障子などに名工の粋をちりばめた和の空間や、檜(ひのき)や高野槙(こうやまき)の貸切風呂で上質な時を。瀬戸内の食材を生かした料理も評判。写真は6畳+3畳の楓の間。アーチ状の壁が特徴的。
立ち寄りなら!
うなぎらんてい
うな重(梅)4180円~などを提供するウナギ料理店を併設。蒸してから炙る国産ウナギは、外はパリッと中はふっくら。

11時30分~13時30分LO、17時~19時30分LO
木曜(祝日の場合は要確認)、ほか臨時休あり


延享元年(1744)築の町家は、倉敷格子や本葺き瓦屋根、大梁などの意匠が残り、歴史を感じさせる
りょうりりょかん つるがた
江戸中期に栄えた商家の邸宅を生かして宿に。美観地区の賑わいを忘れさせる落ち着いた空間で、厳選した山海の味覚を用いた料理が堪能できる。庭にある樹齢約400年の松もみもの。老松を擁する広い庭に面した阿知の間(写真上)。開放感のあるロビーには棟方志功の書が掛かる(写真下)。
立ち寄りなら!
おしょくじどころ つるがた
和膳を気軽に味わえる食事処。ゴマダレで味付けた新鮮な鯛がのる、鶴形名物 鯛茶漬け2100円。

11~14時
月曜(祝日の場合は翌日)


メインとなる1階の和室。奥にも和室が続く
くらしのやどてまり「おいとま」
2階建ての古民家を再生した、1日1組限定の一軒家の宿。最大9名まで宿泊でき、人数が増えるほどリーズナブルに。キッズ用の寝具やアイテムもあり、子ども連れにもおすすめ。美観地区南側の白壁通りにあり、館内には上質な手仕事の品を配する。

JR倉敷駅から徒歩18分
倉敷市船倉町1223-1
2台
【1泊素泊まり】1棟8800円~(宿泊人数により変動)
【IN】15時【OUT】10時
【最大定員】9名

倉敷の“よいもの”を扱う美観堂の2階にある宿
くらしのやどてまり「ゆきかい」
美観地区の古民家を改装し、こぢんまりとした貸切宿に。器や家具など、岡山を中心とした手仕事の品を使いながら滞在でき、気に入れば宿1階の姉妹店「美観堂」などで購入も可。格子窓から情緒ある美観地区の街が眺められる(写真上)。1階には珍しい五右衛門風呂がある(写真下)。


2階の寝室にはダブルベッド1台と布団を用意
くらしきかわせみてい
美観地区から徒歩5分の場所に立つ古民家をリノベーション。一軒貸切素泊まりで、家族やグループで気兼ねなく過ごせる。
JR倉敷駅から徒歩15分
倉敷市中央2-13-13
近隣駐車場利用1台
【1泊素泊まり】1万1000円~(2名~予約可)
【IN】15時【OUT】10時
【最大定員】5名

「春夏秋冬」のイメージで装飾が各階で異なる客室。岡山ならではのポイントが随所に
ほてる ぐらん・ここえくらしき
岡山らしさを取り入れた客室で五感で倉敷を体験しているような感覚を楽しめる。レストラン「くらしき白壁」や宴会場も備える。駅から近く観光の拠点に便利。丹下健三氏デザインのイージーチェアが配されたロビーで寛ぐのもいい(写真上)。